ほぼ足りてまだ欲 その先

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隣のうち

 実家の隣はいつも庭師が入ってきちんとした庭を保っているうちだった。なにしろうちのすぐ横に駐車場があって、その上には平屋の家が載っていた。お屋敷はその向こうにドンとあって、じゃ、その平屋の家は何だと思ったら運転手さんの家だった。つまりお抱えの運転手がいて、住み込みだったのだ。だから、多分お手伝いさん(当時は女中さんといった)も住み込みだったのだろう。しかし、子どもがいなかったような気がする。子どもが遊んでいるのを見たのは多分運転手さんの子どもだったのではなかったのか。
 その家の車というのはおよそビジネスマンらしくなくて、そういう人だったら黒塗りのクラウンだったりしただろうに、その家の大きな車はなんとシボレー・インパラだったのだ。後ろが羽のようにピンととがった何とも派手な車だった。あの近所にそんな車に乗っているうちなんてなかったからとても目立った。いったい、どんな商売の家だったのだろうか。隣とはいえ、全くつきあいがなかった。考えてみればあの町内は変わっていたなぁ。