ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

新宿

 新宿に保阪正康の話を聴きにいった。今月から新しいテーマに移る。とはいっても昭和史の保坂だから、これまで聞いてきた話の延長線上であることは間違いがないのだけれど、部屋に入ってびっくりした。これまでに比べたら1.25倍くらいの机が入っていて、見慣れない方たちがどっと増えた感じである。どういうことだろうか。ここのところ保阪が数回テレビに出たとはいえ、BSだったし、そんなに視聴者がいたとは思えない。これはやっぱりNHKラジオの「ラジオ深夜便」に彼が月に一回くらい出て話していたことの影響かもしれない。
 今日の保阪の話はことのほかかなり色がはっきりした話で、これまでのスタンスよりもどんどん鮮明になってきているような気がするのだけれど、それが今月出した半藤利一との対談本によるのではないだろうかという気がしないでもない。
 帰りにそのまま丸の内線で銀座に出る。丸の内ピカデリーでやっている映画「Jersey Boys」を見る。家を出る前に、前から10番目のど真ん中の席を抑えておいた。そんなことをするまでもなく大きな映画館にはわれわれの前に座っているのはぱらぱら程度で、平日の真っ昼間だからもちろんそのほとんどがわれわれ世代の爺さんと婆さんだ。二人連れの場合は半分が男女のペア、そして婆さんペア。爺さんは二人連れではやってこなくて、ほとんど一人だから、苦虫をかみつぶしたような顔をして、このおっさんがまさか♪しぇぇ〜りぃ〜♪と唄っていやしまいなと思い込むが、中にはやっているのがいるかもしれない。
 映画はクリント・イーストウッドの制作、監督だけれど、当時としては珍しいテレビの中の映画に若き日のクリント・イーストウッドが映るのが笑える。中身はちゃんとミュージカルの構成をほとんど踏襲していて、エンディングだってもうすっかりミュージカルのエンディングのようだし、それぞれの出演者が画面に向かって語りかけるのもステージをそっくり踏襲している。その点ではミュージカルを見た人たちにがっかりさせないようにしていることがうかがえる。
 しかし、反対に、そのミュージカル臭が鼻につかないというわけでもない。ある意味から云うと、映画なのにミュージカル的な大袈裟さが邪魔だという印象を持つ人がいるかもしれない。あたかもMETropolitanのオペラを映画館のスクリーンで見る時のちょっとしたしつこさ、とでもいうのだろうか。

世界 2014年 11月号 [雑誌]

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週刊 金曜日 2014年 10/3号 [雑誌]

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