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意外な東京ローズ

東京ローズ:米兵魅了した声 舞台に 北米5都市で公演(毎日新聞 2015年01月27日 00時03分(最終更新 01月27日 00時16分)
 第二次世界大戦中、日本が連合国軍兵士の士気をそぐ目的で流したプロパガンダ放送に従事し、皮肉にも米兵らから「東京ローズ」と呼ばれて人気を博した日系などの若い女性アナウンサーたちがいた。京都を拠点に活動する現代美術家・演出家、やなぎみわさん(48)が、史実を踏まえた演劇作品「ゼロ・アワー 東京ローズ最後のテープ」を創作。戦後70年に合わせて、29日から米国とカナダの5都市で公演される。
 劇のタイトルは1943年3月〜1945年8月、日本放送協会NHK)の海外放送「ラジオ・トウキョウ」が軍の監督下で放送した番組名から取った。ジャズなどの音楽やおしゃべりに宣伝を織り交ぜた英語の番組で、米兵たちの郷愁をそそる目的だったが、娯楽番組として人気を呼んだ。女性アナウンサーらは「東京ローズ」と愛称をつけられたが、戦後に捜し当てられた一人は米国で国家反逆罪に問われた。
 やなぎさんは、戦時プロパガンダ放送について調べる中で、日米両国の間で自らの言葉を封じられ、歴史に翻弄(ほんろう)された女性アナたちに興味を持った。匿名の彼女らの声が、日本側の思惑とは裏腹に戦地の米兵たちを魅了していき、戦後の「東京ローズ裁判」前に米国の大物ラジオキャスターが反感を扇動する場面などを盛り込み、「メディアと声の関係」をテーマにした演劇作品に仕上げた。
 2013年夏に名古屋であった公演に、日米交流団体「ジャパン・ソサエティー」のディレクターが来訪。戦後70年の節目に合わせた北米ツアーを打診され、準備を進めてきた。約5週間かけてニューヨーク、ワシントン、ロサンゼルス、タウソン、カナダ・トロントの各都市を巡る。
 やなぎさんは「北米でも『東京ローズ』を知る世代は少数派だろうが、歴史の波間に消えた『声』を、演劇という行為でよみがえらせたい」と話している。【森田真潮】
東京ローズ裁判:ロサンゼルス生まれの日系2世、アイバ・郁子・戸栗・ダキノさんは1941年7月に来日したが、日米開戦で帰国できなくなり、1943年11月から「ゼロ・アワー」にアナウンサーとして参加した。戸栗さんは戦後、自身が「東京ローズ」だと認め、反日感情高まる米国で国家反逆罪に問われ、1949年に禁錮10年、罰金1万ドルの判決を受けて服役した。1977年にフォード大統領(当時)の特赦で市民権を回復。戸栗さんは2006年9月、90歳で亡くなった。

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