ほぼ足りてまだ欲 その先

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入学式

 今日あたりは入学式の大学が多かったのだろうか。テレビを見ていたら国際基督教大学も今日が入学式だと、やたらとテレビで映るからなんだろうかと思ったら、皇室のお嬢ちゃんが学習院大学を中退して国際基督教大学に入り直したんだそうだ。伝統の学習院を止めて基督教系の大学に入り直した皇室のお嬢ちゃんというのは、今時の右側の人たちにとってはどんな印象を持つんだろうか。
 戦後今上天皇の家庭教師として来日したヴァイニング夫人の秘書として長年親交のあった松村(旧姓高橋)たねさんが図書館長を務めたことがあるのがこの国際基督教大学で、なおかつ今年入学したお嬢ちゃんのお姉さんもこの大学の卒業生である。

紺色のスーツ姿の佳子さまは、午前10時から大学礼拝堂で始まった式に出席。宮内庁によると、新入生紹介の7番目で「秋篠宮佳子」と呼ばれると、いすから立ち上がり「はい」と返事をした。(毎日新聞 2015年04月02日 11時00分(最終更新 04月02日 12時56分))

 実は私はこの大学に入学したことがあって、一年間だけ在籍した。その後自分の母校に転校したのだけれど、その一年間だけ同じクラスだった「セクション・メイト(略称セクメ)」とは今でもつきあいがある。というのはひとクラスにたった24名しかいなかったからでもある。それじゃ学費が高くてもしょうがないか。
 当時私はもう50歳を過ぎていたので、ほぼ同級生の親と同世代で、入学式に行くと、入り口で「保護者の方は二階です」といわれ、「入学生です」とお答えした。あの学校は名簿の順に座る場所が指定されていて、当時はまだ専攻する学科ごとにアルファベット順になっていた。私が早めに自分の指定された席に座っていると、後からやってくる入学生たちが違和感を感じながら、それでも緊張して座っていた。
 そこへ仙台からやってきた男子生徒が近くに座り、彼は屈託なく「おじさんも学生なんですか?」と聞いた。「うん、僕も入学するんだよ、よろしくね」といったら、周りにいた入学生が一斉に私の顔を見た。全員が興味津々なんだけれど、聴くに聴けなくていた、という雰囲気に充ち満ちていたものだから、これで一気にみんなリラックスした。
 その男子学生は、その後アメリカン・フットボール部でQBをやっていたらしい。その後どうしただろう。今でも何人もの同級生たちとはfacebookで繋がっているのが嬉しい。
 ひとりひとりが名前を呼ばれて、「はい!」と返事をして起立したのは当時も同じだ。いくつもある寮に入っている学生たちが何か、ふざけた返事をしていたのが印象に残っている。先輩たちからきっと指示が出ていたのだろう。
 二階にいる保護者の人たちも、下に混ざっている社会人経験を持つ入学生たちを見つけていたらしい。その後全員が外に出て記念写真を撮ったことを覚えている。
 今年は入学式に大学の正門から礼拝堂(というか、大きな集まりはなんでもあそこだ)までの通称「滑走路」の桜並木が満開で、かなり華やいだ日になったことだろう。
 私が在籍したあの年から10数年たって、私の友人の何人もが子どもを持つ親となっている。あの学校の授業についていくのは必死だったけれど、学問に励むという点では本当にやりがいのある授業の連続で、面白い一年だった。今度生まれ変わってくることがあったら、若い時にあの学校か、アメリカの学校で思いっきり勉強に時間を費やしてみたい。
 どうして若い時に遊んでばかりいて、自分が興味を持つことをテーマに研究しなかったのかと、悔やむばかりだ。
 新聞に掲載された(こちら)写真はいわゆる「バカ山」と呼ばれていた校庭の前で、後ろに見えているのが昔の中島飛行機時代から使われていたと聞いた本館だ。テレビで見たら、見慣れない校舎もできていて、様変わりのようだ。
 この学校は基督教とついていて、確かにキリスト教徒が多いのだけれど、宗派は別にない。私の頃はまだ「基督教概論」という授業が必修だったけれど、今はどうだろうか。