ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

半世紀もたなかった

 つれあいの時計のステンレスのベルトが、止めてあるところの作りが壊れてしまって、復旧不可になってしまった。彼女の時計と私の時計は同じメーカーのもので、私のものは婚約したときに相手にプレゼントした婚約指輪の代わりに、彼女の弟、つまり私の義弟が買ってきてくれたものだ。彼女のものはその前年に自分で買ってきたものだから、彼女の時計の方が一年分ふるい。いや、製造年がいつかはわからないけれど。
 で、デパートの時計売り場にある時計修理の暇そうなカウンターに持って行ったら、多分もう純正の部品はないから、対処のしようがない。丸の内にある日本法人のカウンターに持って行って聞いてくれという。それではというので、勝手知ったるそのカウンターに持ち込んだ。なんで勝手知っているのかといったら、かつて私はそのビルで仕事をしていたことがあったからだ。そういえばその時からこのカウンターはあった。
 で、結論である。この時計につくステンレス・ベルトはもう存在しない。あとから作られているベルトでは装着ができない。クロコダイルのベルトなら付けることはできるけれど、4万数千円する、というのである。
 その上、そこで説明されたのは、もし、この時計そのものが故障して動かなくなっても、もう部品がないのでこの日本法人の修理カウンターでは受けられない。もし、どうしても尚したいのであれば、街の部品を切り出して修理してくれる時計職人に頼むしかないというのである。例えば、骨董時計の修理職人のような人だという。つまり、この時計は買ってから44-45年経ったら骨董品になってしまったということなの?まさか、この世界に冠たる時計屋さんの製品が半世紀も経たないうちにもうどうなっても知りません時計になってしまうとは思わなかった。
 ドイツの某有名メーカーのひげそりの替え刃を買いにいったら「あ、それはもう製造中止になっています」といわれたときと同じがっかり感が満載だ。歳をとるということはこういうことなのだろうか。そういえば近所にあったスーパーが店を閉じたのだけれど、その建物がすっかりなくなっているのを見たときも同じ気分だった。右翼政権のバックアップで有名な某安普請ホテルチェーンが手に入れたらしい。