やはり戦争が終結し、圧倒的な敗北を期したあの時に、一体何が悪かったのか、なぜあの戦争が起こったのか、誰がそんな道に引きずり込んだのかについて日本人が自ら明確にするということをしなかったことははなはだ大きな禍根を残したというべきだろう。
それをやっていさえすれば、70年経ってからもあぁでもない、こうでもないという論争を続けなくて済んだだろうし、誤魔化しの歴史を捏造することもなかったのではないだろうか。
しかしながら、誠に残念至極なことではあるけれど、私たちの日本民族というものは傾向として何事も明確にしないでここまで来るという要素を持っていたので、どうしようもないのだろう。「まぁ、まぁ」がお得意だし、話は突拍子もなく飛ぶのだけれど、あの戦争中に強制収容所に隔離されていた米国にいた日本人及び日系米国人が、なにかにつけて「仕方がない」といっていたという話を想い出す。
これだけ容易に価値観のブレを平気で繰り返すことができてしまうことに絶望感を感じてしまうのはこれまた同じような「まぁ、まぁ」感のひとつかも知れない。