ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

ライブ

  昨日のライブ。
 友人のひとりが早稲田にある小さなライブハウスの手伝いをしているんだといって、そこで二つのバンドのライブをやらないかというでライブをやることにした。見に行ったことのある連中の話では小さな小屋だというので、覚悟はしていたけれど、確かに小さい。安普請だ。入ると新建材の匂いがする。なんだか安いアパートにでも入ったようだ。それに、ライブハウスにしては似つかわしくない鋳物の椅子が置いてある。広さの割に人が座れない。多分居抜きの椅子じゃないかなぁ。元は食い物屋だったのだろう。
 PAがあるんだけれど、そのオペレーターがいない、つまり滅多に使われないからオペレートできる人間を雇えない。それで知り合いの人にそれを頼んだ。
 手伝いをしているという友達は、周りの人間を巻き込むのが大好きで、以前にもこれに似たような場所を「埋めてやる」といっては同じようなことをやってきたなぁと思う。自分の知り合いを動員するだけじゃ、たかが知れている。バンドがやりたくなるような会場だったらそんな手伝いは要らないわけで、つまりそんなところだ。
 私たちのGSバンドの前に大学のサークルの先輩のバンドが、メンバーの一人が早帰りなのでといって演奏した。普通だったら私たちの方が礼儀として先に出演するはずだったので、ちょっと意外だった。
 場が暖まるといういい方があるけれど、それは確かで、遊びに来てくれる人もお酒が足りなくてなかなか盛り上がらない。それにバックの音が大きすぎて歌が良く聞こえない。それでなくても彼らはオリジナルをやりたがるから、お客の方にとっては初めて聞く曲だから、なかなか乗れない。
 かつてはオリジナルをやるのが意味があって、カヴァーばっかりやっているのは芸がないと思っていたのだけれど、素人が演奏するんだから、知らない曲ばかり聴かされるのは結構辛い。だから、私たちのようなアマチュアの同好の士が集まって音を出すのは人に聞かせるほどではないのだからお客さんに媚びて聞いて戴くしかないのであります。人前でやれるだけで御の字。むしろ皆さんにお酒や食べ物をご提供しなくてはならないのに、2000円も戴くのは生意気だというのはうちのつれあいの弁。それでも2ドリンクつまみつきなのね。すんません。
 結局、ブルー・コメッツ、タイガース、ザ・サベージ、ビレッジ・シンガーズ、ワイルド・ワンズといったところをカヴァー。久しぶりに吞んだら、ぐったりだ。家に帰ってきてから録音を聞いたら、あまりにも自分の歌がつまらないのに絶句した。酔った先輩が「おまえは顔の割には歌は巧いな!」といってくれたのが、酔った上でのことであることがこれで証明された。
 会社時代の友人が二人と一人来てくれた。二人は仕事の中身にまったく関係なく、遊んでいた友人グループの二人で、多分15年振りくらいに私たちの演奏を聴いてくれたのではなかったか。そのうちの一人が仕事を辞めて、実家に帰るというので今度送別会を開くことになっている。
 もう一人の友人は同期で、一緒のセクションになったことはないが、ほぼ似たような仕事をしていた男である。彼は数年前に奥さんを病気で亡くし、今年は同居していたお母さんが他界して今や二世帯住宅に一人で暮らしているのだそうだ。他人の目から見たら不経済だろうになぁと思うけれど、この歳になって引っ越しもままならないだろうし、想い出一杯の家を出るのも辛いんだろうなぁ。
 前に出た先輩も10年ほど前に奥さんを亡くしたし、アコースティク・ギターを弾いた友達も3年前に奥さんを亡くしている。会社時代の同僚の一人も15年ほど前に奥さんを亡くした。近所のひとつ上の人も10年ほど前に奥さんを亡くした。しょうがないことながら、辛いだろうなぁ。察して余りある。しかし、それも他人事ではなくて、私の身にも早晩訪れる。どっちが先か知らないが。
 タレントの阿藤快が死んだそうだ。彼は69歳になったばっかりだ。明日は我が身なり。