ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

意外や意外


 多分私が生まれて初めて覚えたクラッシックの曲というのはDvorzakの「ユーモレスク」なんです。それはわが家にSPレコードがあったからなんです。電蓄が導入されるまではもちろんあのゼンマイを巻く蓄音機でした。電蓄だって、鉄針でしたよね。だから今でもこれを聴くと、どんな、誰の演奏でもむかぁ〜しの演奏のような気がするんです。うちにステレオがやってきたのは私が高校一年になってからでした。
 後年、気がつくとわが家にはベートーベンの「田園」や「月光」のSPアルバムがあったんです。アルバムというのはSPのレコードが5枚ほど一冊の本当に重厚なアルバムのようになっていました。子どもには持ち上げるだけでも重かったものです。
 ということはどういうことかというと、あのうちの親父が買ったということになるわけですが、とてもじゃない、あの人にそんな趣味があったとはとても私には思えない!酔っ払って三波春夫の「チャンチキおけさ」をうったっていたあの人ですからね。
 そういえば本当に記憶がかすかなのですが、ガキの頃にオヤジに連れられて行った伊勢佐木町有隣堂の三階が画材売り場になっていて、あの油の匂いがしていた記憶があります。つまり、ちょっと考えにくいのですが、あのオヤジが油絵に手を染めていたことがあるということなのです。そういえばうちの玄関には壁に小さな風景画が掛かっていたことがありますが、あれは一体誰の絵だったのですかねぇ。まさかあの人が描いたわけじゃないだろうになぁ。いや、ひょっとするとひょっとするんだろうか。