ほぼ足りてまだ欲 その先

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強制労働

 慰安婦問題で、あたかもいわゆる「慰安婦」だった人たち全員が軍による強制された慰安婦であるのかそうでないのかが問題のように語られている。ひとつでも強制でないケースが発見されたら、もうそれでこの問題は自虐的な歴史の受け取り方だとするかの如く語られている。しかし、強制的に騙されて連れて行かれてしまった人たちが抱え続ける苦しみをまったく無視するものである。
 実は慰安婦問題に隠れて強制労働の話はそれほど語られていないような気がする。戦争中の後半に至って、日本国内では労働力が払底していた。労働力であった青壮年の男子が根こそぎ徴兵されて戦場へ狩り出されていたからである。その分を少年少女も学校での勉強の代わりに勤労奉仕に狩り出された。しかし、勿論それで労働力が足りていたわけではない。植民地である朝鮮半島からは徴用というかたちで多くの青壮年が内地へ、あるいは戦地へ狩り出された。中国は侵略していた敵地であったけれど、軍や憲兵の力によって「ちょっとこい」と連れて行かれて、内地へ運ばれ、強制労働につけられた。
 しかし、極東軍事裁判で掘られたものの、終戦直前に日本全国で証拠書類となる可能性のある書類を徹底的に焼却することが指示され、あちこちでその煙が上がっていたといわれている。
 そんな状態で、何人もの人たちが日本軍による様々な行動を証言されているけれど、そのほとんどを「証拠となる書類がない」として否定される。
 日本政府は今でも公的な書類証拠を平気で消失させ、歴史をあとから書き換えることが可能としてしまっている。