ほぼ足りてまだ欲 その先

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造船所火事

2016年1月31日 13時46分
 31日未明、三菱重工業長崎造船所長崎市)の香焼工場で建造中の豪華客船「アイーダ・プリマ」で、段ボール箱などが燃えているのを外国人作業員が見つけ、火を消した。けが人はなかった。船内での火災は1月に入り3度目。長崎県警大浦署は、放火の可能性もあるとみて調べている。大浦署や地元消防によると、火元は客船内の通路。複数の段ボールや断熱材などが燃えた。出火時は周囲で作業をしておらず、火の気もなかったという。(共同)

 なんと1月に3回も火事が発生しているという点は聞き捨て、イヤ読み捨てならない話。なにしろ三菱重工香焼は以前にも客船を建造していて大火事になったことがある。

  • 2002年10月の火災で船内の4割が焼け、納期は2003年7月としていた当初予定より約10カ月遅れた。

 これはかなり大きな話題になった。この火事によって完工が遅れ、二番船として建造していた船が一番船になって出ていったという記憶がある。しかもその後船名を変更しているので、もはや何が何だかわからなくなって、どっちかといったらクルーズ会社はそれでお祓いがすんだといっても良い。しかし、お祓いがすまないのが香焼だ。

  • 2016年1月11日 午後8時半ごろ、「アイーダ・プリマ」火災が発生。客船7階の劇場付近の約15m2が焼けた。

 この船は2隻シリーズ船なので、今後シリーズが続けばともかく、受注したのがリーマンショック直後だったということもあって、1000億円を超える赤字になるのではないかともっぱら噂の案件だという。
 実は「放火じゃないか」という噂は今回が初めてではなくて、2002年の火事の時も巷で飛んだ。
 客船の建造というのはその辺の貨物船を作るなんて単純なものとは訳が違っていて、複雑極まりない代物である。なにしろお客で乗ったって中の作りが複雑で、俄には理解しがたいくらいなのに、それを建造するのは並大抵ではない。
 その上、もはや日本では造船所の現場で働く人たちはほとんど自社の正規社員ではない。協力会社という、下請け企業が入って、部分部分を担当していて、その従業員の中には外国人の研修・実習ビザ労働者が普通にいるはずだ。
 今回の火事の報道にも、外国人作業者が発見したと伝えている。これが意味するところを日本のマスコミはなんの解説もしない。せいぜいこの辺に光を当てるのはTBSテレビの報道特集とか他局の夜中にしか放送されない、ドキュメント番組ぐらいのものだ。
 元々日本のトップ軍需産業である三菱重工の造船部門はここと思ったところでは思い切った決断をして日本の業界を驚かしてきているから、これくらいのことはどうにかするだろう。ま、潜水艦で政府の援助も追い風だし。