今時お皿に載せた白米を食べるのにフォークの背中にご飯を載っけて食べる人なんている?いないだろぉ〜!?
でも、昔はそうした。誰に言われてそうしたんだかもうとっくに忘れているけれど、小学生の時に伊勢佐木町の不二家で何かを食べたときも、清水の市役所のそばにあった貿易会館のグリルで海老フライを食べたときも、港レストランで洋食を戴いたときも、多分そうしていた。幼いながら健気ではないか。
しかし、いつの日か、なんでそんな面倒くさい事をするんだよと思って、肉や魚をナイフで切ってから、フォークを右手に持ち替えて、あるいは左手に持ったまま皿の上のご飯を、まるで鋤で干し草を掬うようにすくって口に運ぶ。それで充分だと思う。
ところが、これがナイフとフォークで飯を食い続けると、付け合わせの野菜をナイフとフォークで食べるのとまったく同じように食べる事ができるようになって、あっと気がつくとフォークを操ってご飯も食べている。ある瞬間、確かに背中を使ったりしている。あ、これだったのか!と気がついたりするんだった。