ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

日記とブログ

 日記とブログを兼ねられると思ってこれを書き始めたのはもうかれこれ10年以上前のことだったと思う。
 日記というものは閉じられたもので、それを書いてはいるものの、誰かに見られることを前提には書いてはいない。その割に著名人の日記が随分公開されているのは別に不思議に思ったことはない。多分あれらはプライバシー上問題がありそうな部分は全部割愛しているに相違ない。
 そういえば私が中学、高校、大学とたっぷり書いていた日記はまったく誰ひとりに見せることもなく、結婚を決めたときに全部燃やしてしまったから、私以外の誰もその中身を知らない。そしてもはや米国公文書館に行っても、神保町の古本屋に行っても、まったく手に入らず、書いた本人もまったく覚えているわけはなく、金輪際誰の目にも触れることなくプライバシーが完璧に守られているわけだ。
 しかしながら、これはこの歳になってみると、実に残念なことではある。翻って考えると、うちの親父は死ぬまで日記を書いておった。しかもそれは全部書棚に揃って残してあった。しかし、オヤジの日記には大層大きな問題点があった。まるで暗号で書かれたかの如しで判読ができない。字が下手、というのではなくて、全部が繋がってしまっているので、なんという字なのかが読めない。実家を壊すときに、最後の一冊だけを残してあとは処分した。オヤジは政治家でも役人でもなかったから、彼の日記を読むうちにとんでもない歴史上の事実がわかるモノでもない。多分戦争の想い出なんかは書かれていたに相違ない。神社で長いこと頭を下げていた様子から見て、あの頃考えていたことくらいは書かれていたことだろう。しかし、いかんせん、読めない。それはもはや暗号である。
 私の赤裸々な気持ちをここに書くことはしていない。どこかにそんな頁をひそかに作っておくかなぁ。死んだら誰にも見つからないようにして。