まずお断りをしておきますが、わたくしは相当に臍が曲がっております。
京都と申しますと、日本のふるさととでも申しますか、その古さには本物の姿が残ってございますな。なにしろ天皇さんのお住まいでございますよ。それがそのまま残っているどころか、そのまま各地が歴史に出てくるもので溢れておりますな。
よそから遊びに行きますと、何だかそのまま博物館を歩いているかの如しでございますし、そこに暮らしている人々は何だかやんごとない感じでございます。わたくしどものようなどこの馬の骨ともわからない流浪の民ではございません。ず〜っとそこにお暮らしになっておられる。昨日今日ここにやってきたてんじゃないんですから凄いです。
もう10なん代と繋がっているお店だなんてぇのは珍しくありませんからね。先の戦争ッたってこれが太平洋戦争じゃなくて、応仁の乱だってんですからね。どうでぇ！え〜っ！すげぇだろう！てなもんです。
それもその筈でしてね、太平洋戦争で、日本国民はすべからく空襲でイヤって目に遭わされちゃいましたよ。ところが京都はほとんどそんな目に遭ってないってんですから、そりゃ「先の戦争」ッたって太平洋戦争じゃないわけです。
なぁんてきかされておったのですが、実は京都も5回やられているというのですよ。驚きましたねぇ。じゃ、なんで残ってんですかね？
大した空襲じゃなかったこと、その後は原爆投下候補になっていたから手をつけないで原爆の効果を計りやすくするため、なんぞといわれてはおりますが、本当かどうかはわかりません。
お前、何がいいたいの？って事なんですが、つまり、京都の市街地がこれだけ残されたってのは他の都市が全滅になった代償みたいなもんなんだぞってことですかねぇ。良かったよねぇ、本当にあの形で残ってね。
