ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

スイス

 中国からスイスへの観光客はビザが必要で、EUシェンゲン国ビザは指紋が必要になったことで中国からの観光客が減っているんだという。とにかくスイスに限らずどこの国でも今や中国人観光客で持っているようなものだから、どんどんその受け入れ体制を進めてきたのに、このビザが面倒になったことはかなりなダメージになるはずだ。
 向こうからやってきてお金を落としていくんだから、こんなに美味しい産業はないんだけれど、スイスでもご多分に漏れず文化の衝突が当然起きるわけで、減ってくれて結構だと思っている層も少なからずいる。
 なにしろ大陸だから(かどうか知らないけれど)どこでも大声を出して喋るから違和感をもたられるのはしょうがない。日本人の観光客だって、群れをなして歩道をブロックしていたのはついこの前の話だ。それが人種が交代しただけだ。
 何年か前にスイスのルツェルンという街からロープウェイを使って上がることができるピラトゥスという山に上がったことがある。展望台からの景色はもうそれはそれは素晴らしい景色で、まるで比叡山の上から見えるのが琵琶湖でなくてアルプスだという壮観なもの。そこへあとから中国人の観光客がどっと上がってきた。そうなれば雰囲気は一変。いくつかある峯に上がった連中が次々に大きな声で叫ぶ。そういえば日本人もこんなところへ来ると直ぐさま「やっほ〜!」と叫ぶのが習慣だった時代があった。
 降りるときは登山列車で降りるというセット切符を買って上がったので、必然的に登山電車へと行くと、その中国人団体もそこへやってきた。次の便まで一時間あり、これはやり過ごした方が良いかもなぁと思っていたら、なんと三つの電車が立て続けに降りる。その最初の車両に彼らは乗り、私たちは二つ目の車両に乗ることになった。どうやら団体がいるときはそのようにしてこなしているらしかった。それでようやく静寂の中に景色を楽しむことができた。
 だから、そうやってやりくりすれば、文化の異なる観光客をうまく受け入れることができるというわけで、なるほどと感心した。お客さんはお客さんなんだから。