ほぼ足りてまだ欲 その先

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講演会

 母校にジェンダー・フォーラムってのがあって、2000年に学校へ復帰したときにはもう既に錚々たるメンバーで運営されておりました。そのフォーラムが主催の講演会があるというのでいってきました。ゲストスピーカーは古今亭菊千代師匠で演題は「落語を通して考えるジェンダー」というものでした。
 菊千代師匠は志ん生に最後まで仕えたという圓菊さんの7番目のお弟子さんだったそうで、上に6人、下にも6人の弟子がいたそうで、ずいぶんな数のお弟子さん。
 噺家の女将さんというのは日頃から、自分の旦那のことが好きで弟子になった連中が家の中にいるわけで、心の安まらない立場のはずで、次に女性の弟子入り希望者が来た時に、まっぴらごめんだとお断りになったそうで、そりゃあなたがいやだったからじゃないから誤解しないでねといわれたけれど、気を遣う大変な役回りだと。
 楽屋や様々なところで「男の世界」にいろいろ振り回されたという話はさもありなんと思わせる。楽屋で前座に着替えを手伝って貰いながら、最後の羽織を背中からじゃなくて、前から着せてくれというオヤジだっていたんだと。誰とはいわないが。志ん朝師匠だったらまだしも!と。噺家はなんだって「洒落だよ!洒落!」といって終わらせる世界だというんだがさもありなん。
 そんな時に一緒に真打ちになった三年半先輩の三遊亭歌る多さんと慰め合ったそうだ。協会はふたりを真打ちにしたものの、何人も抜かれた連中がいたわけで、そのバランスに随分困ったらしく、当時わざわざ「女真打ち」ということにしたんだそうだ。二人は始まって以来の女性真打ちで、今でも何かというとそれが肩書きにつくところから脱却したいと。
 東西に全部で700人近くいるといわれる噺家のうち、今や50人ほどが女性ではないかというくらいに増えているらしい。そういえば随分遭遇するようになったものなぁ。先日の国立だって、花緑の弟子の女性の二つ目だった。
 後半は前座に大学の落研三年女子の「子ほめ」菊千代師匠は「権助提灯」。