今度の英国のEUからの脱退は国民投票で52対48で脱退が決まった。これって、僅差といって良い。英国民のほとんどはまさかこんな結果が出るとは思ってもいなかったのではないのか。
これ以上移民が増えるのは反対だ！邪魔くさい、出ていけ！英国は大陸の連中とは違うんだ！誇り高いグレート・ブリテインなんだぞ！そうだ！そうだ！
われわれは奴らと一緒じゃないんだ、独立国家として長年一線を画した伝統と文化を持っているんだ、その辺の昨日今日できたような国と一緒くたにするな！そうだ！そうだ！
かつてはこの地球上にあまねく領土を持っていた、歴史ある大英帝国なんだぞ！そうだ！そうだ！
どこかの国に似ているような気がする。
そして離脱して元通りに固有の文化を再確立するんだという言葉はどことなく格好良い。お互いに寄り添う、イヤ寄っかかられるんじゃなくて、私たちは私たちの価値観で決定していくんだというかけ声をかけられたら、それに呼応するのは仲間に落ち着くことができるという安堵感を生みやすい。周りがそういったら、イヤそうじゃない、人類の理想を飽くまでも追及するべきだという声を上げるのはかなりエネルギーがいる。
太平洋戦争終戦の約一年前に豪州にあった敵国捕虜兵収容所で日本軍の捕虜が一斉蜂起をして脱走を企て、結局400人近くが犠牲になった。彼らの蜂起の理由は少しでも騒ぎを起こして敵を手こずらせ、本土攻撃を遅らせること、死して虜囚の辱めを受けずという軍人勅諭に根ざしていた。ほとんどの捕虜となった兵たちはなんの不自由もなく収容所で暮らしていたが、蜂起に賛同するか否かの投票を迫られ、まさか実行という結論が出るとは思っていなかったけれど、これまで聞かされてきた本分からいって、こうしないとまたビンタ食らっても困るからと、実行賛成の票を投じた。まさか、本当に実行の結論が出るとは思ってもいなかったと生還した元捕虜が吐露した。
まさか本当に憲法が改正されるわけはないと思うけれど、やっぱり経済が上向かなくちゃねぇ、と訳のわかった見解を示して、結果的に日本国憲法が大日本帝国憲法に置き換えられてしまう結果を招く可能性が某国にもある。もう既に、某じゃないな。
