ほぼ足りてまだ欲 その先

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総合調整

 私が造船所で働いていた頃のことだから、もうかれこれ40年以上前の話だけれど、その頃設計部門に「総合調整」という仕事をする人がいた。概ね脂の載った40代後半くらいで人当たりが良くて、それでいながら仕事の実績が明らかで、誠実な人だった。多分人事が上層部と相談してそれにふさわしいキャラクターの人を選んでいたのだろう。
 お客の要望を聞いて当初の設計からの変更を数字にして提示して、そこから具体的にどのように変更していくか、あるいは取りやめるのか、設計をやり直して現場で加工するまでにいくらくらいの金がかかるのかという見積までやる。それを私たちが管理費用や儲けを載せてお客と一緒になって交渉をする。
 私は何よりもこの仕事の肩書きが凄いなぁと初めて聞いたときには驚いてしまった。総合的に調整しちゃうんだからその手腕もさることながら責任も大きい。
 そうこうしているうちに、戦後の様々な本を読みあさると、時々、この肩書きに様々な組織で遭遇するようになった。つまり、当時、こんなポジションが流行ったのかもしれない。今だったらそんな組織で、こんな職種をなんと表現しているんだろう。まさか「コオーディネーター」なんて呼んでんじゃないよなぁ。それじゃつまらんじゃないか。