ほぼ足りてまだ欲 その先

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あの東京オリンピック

 あの時の東京オリンピックの時、私は高校二年生でした。学校では何枚かの切符がきて、確かくじで決めたような。まったくくじ運を持っていない私はなにも見に行っていない。サッカーの切符ならあるぞ!といわれたけれど、学校にサッカー部すらない元女子高の生徒はほとんど興味を示さなかった。
 学校の講堂にテレビを一台持ってきて、なんかの授業が自習扱いになって、その時間にやっているテレビを見に行って良いということになっていた。そんなことより、その後の修学旅行のことばかり考えていたような気がする。
 体育の若い先生が教育大の出身で、金メダルを取った体操男子の遠藤幸夫選手と大学で同級生だったということで、遠藤選手が学校に金メダルを持ってやってきた。講堂に集合してお話を伺った。勿論遠藤選手の金メダルを見せて戴いたのだけれど、学校らしく「こっちから回すから見てね」ということになったのだけれど、途中からどこにあるのかわからなくなり「オイ!今どこにあるんだ!」と先生が怒鳴った記憶がある。そんな大それた事ができるような度胸のある奴がいるような学校じゃなかったんだけれど、誰かやったのかね?勿論ちゃんと出てきたさ。
 東京オリンピックの記録映画というのは当初黒澤明が監督するはずだったらしいけれど、例によって無茶ばっかりいうので、という理由かどうか真偽の程は知らないけれど、市川崑監督が作った。いわゆる淡々とした記録映画なんかじゃなくて、女子110mハードルの依田郁子がスタート前に「王将」を口笛で吹いていたところがクローズアップされるような変わった切り口だったことは覚えている。
 学校全体で、大井町駅の横にあった品川区の施設に入って見た記憶がある。相当論議を招いたんだという記憶も一緒にね。当時の私は通り一遍の作品ではないというところが大層気に入って、これまで通りのことしか受け入れられないいわゆる「常識」階層を馬鹿にしたものだ。そりゃ若者はそうでなくちゃね・・・つううか今でも国のおおよそがそれまで通りの考えに固まっている時は反乱したくなるのだ。