ほぼ足りてまだ欲 その先

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寝た子を起こす

 同和問題というものがあります。部落差別をするなという啓蒙運動があります。8月を「人権同和問題啓発強調月間」と呼んでいるんですね。
 かつて働いていた会社でもそんな時に啓蒙する会議なんてのが開かれたことがあります。私は自分で手を上げてそれに参加したのですが、各部から何名強制的傘下ということになっていたらしくて、隣の部の女性が出席していました。ま、要するに企業が主催するそんな会議なんて、いってみればポーズですから、「暇な奴が出れば良い」なんていう雰囲気でした。
 その隣の部の女性はまったく、部落差別についての知識を持っていなかったようでした。会議が終わって、同じエレベーターでフロアーに戻ってきたときに、彼女がふと「なんでこんなことを知らしめるんですかね、知らなかったら意識しないのに、わざわざ教えちゃうから意識するようになっちゃいますよね」といったんです。
 いや、それはちがうよ。なにも知らなければそれで良いのかといったらそうではなくて、その実態を知った上で、差別するという行為が如何に間違っているのかを意識する必要があるんだといったら、フ〜ンといってさっていきました。人を差別するという行為そのものにも遭遇したことがない人は幸せだけれど、知らないが上の無関心もまた、その差別を助長する。
 私はその時既に彼女が会社の某氏と不倫関係にあることを知っていましたが、どうやらその某氏がこの件で彼女を諫めたらしく、しばらく経ったら私のところへわざわざやってきて、「私が間違っていました」といったのには驚いた。