NHKスペシャル「マネー・ワールド 資本主義の未来(2)国家VS.超巨大企業」の再放送の、まさに一番終わりの部分だけを見て知ったスペインの村。人口僅かに3千人程度の村。20年間、村長を務めているのはサンチェス・ゴルディージョ。
衣・食・住の人間の暮らしの基本分野には資本主義による競争原理を持ち込ませない。土地の私的所有を禁止。すべての土地は村の持ち物で、村民は月15ユーロでこれを借りる。土地の私的所有が余計な軋轢を持ち込む。食はといえば村営の農場でこれを生産し、村民には僅かな費用でこれを分ける。残った生産物で村営の加工場で加工しこれを売る。番組の中で取り上げていたのはオリーブ・オイル製品。他の製品に比べたら数段品質が良いので高く売れている。しかし、番組では「衣」については触れられていない。
この政策によって村への移住者が増えているという。番組ではカメルーンから移住してきた若者の結婚式の様子が伝えられていた。
はっきりいって、これは原始共産主義だといって良いだろう。多分この村長の甚だ高邁なる思想が故に成り立っている。これが次の世代の時代になったときに、この思想が正しく伝えられるかどうかにかかっているように想う。
気になるのはそれまでの土地の私的所有をどのようにして解消したのか、という点である。既得権益としての所有者の主張をどのように解決したのだろうか。多分どこかにこの村についての解説がありそうな気がする。
- 作者: ダン・ハンコックス,浅野成亮,プレシ南日子
- 出版社/メーカー: 太田出版
- 発売日: 2014/12/04
- メディア: 単行本
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こちらのページを読むと、その一端がのぞける。安倍晋三が持っている思想とは大きくかけ離れたところにあり、多分彼らは必死になってこの事実を隠したがるだろう。
そういっちゃなんだが、優秀なるわが区の図書館ではこの本を蔵書している。多分中身をわかってないかも。