ほぼ足りてまだ欲 その先

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働き方

 私が学生をやめて人のつてを頼って就職したとき、もう既に私の国では働きすぎだといういわれ方をしていた。動物のように働き(人間も動物だが)うさぎ小屋に暮らして無謀に値段を下げて輸出して先進諸国のマーケットを荒らしまくっているといわれていた。と、報じられていた。そうか、そんなに働いちゃいけねぇんだなと思っていたから、初年度から有給休暇は積極的に消化しようと思っていた。思ってはいたけれど、そう巧くは事が運ばなかった。なんで運ばなかったのかといったら、その職場にいた人たち全員が仕事を休む気になってこれっぽっちも思っていなかった。むしろ休みの日まで会社に出てきた。何しろその当時は忙しかった。仕事がどんどん入ってきた。上役まで休みの日に工場にやってきて、現場を見に来る。心安まらないけれど、忙しかった。
 ところがあっという間にオイルショックという奴がやってきて、仕事がキャンセルになったり、できあがった商品を引き取ってくれなかったりした。その頃上司になった人がチャンと休もうという人で、よくあの人が上司になってやってきたものだと、今から考えると不思議だ。で、どんどん休んだ。3月になって有給休暇は残り3日だった。よく休んだものだ。しかし年度が替わればまた20日の有休がもらえる。そんな時に出張先でぎっくり腰になり、とうとう一週間寝た。万事休す。4日間足が出た。ぎっくり腰は公傷とならなかった。だから、その年はボーナスにまで影響が出た。それだけじゃない。その後、どこの職場にいっても「欠勤という札付き」だった。
 多分これは豪州だったら病気有休が使えるケースだけれど、日本では遊びだろうと病気だろうと有休は有休で、いざというときのために使えやしないというのが実態だった。だから調子に乗って有休を消化した自分が迂闊だっただけだ。
 今も全然事情は変わらない。半世紀もの間、全然変わらない。もっと悪くなっているのはどんどん有休なんてものが与えられる正社員ではない雇用形態が増えているという現状だ。
 なんで変わらないのだろうか。なんでいつまでも日本人はこういう風潮で満足しているんだろうか。これを是としているわけで、これが日本人にとっての理想の社会なんだろうか。みんなこのシステムが好きなんだろうか。
 好きではないのだったら、変えるべく働きかけるものだと思うけれど、そういう働きかけが行われるのかといったら、まったく行われてなんていない。つまり、好きだってことなんだよなぁ。不思議で仕方がない。私はイヤだと思ってきた。