ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

ちょっとちがう

 戦争中の出来事を私たちは戦争だったんだからなぁ、国民全体が狂っていたんだ、という解釈で終わらせてきた。だけどどうもそうじゃないんじゃないかという気がしてきた。その証拠に「あの戦争は間違っていない」という解釈を展開する人たちがその論理本を出版していて、次から次に「あれは本当はそうじゃない」という主張をしている。
 それにふと気がついたのは、稲田朋美が弁護を担当した「百人斬り訴訟」というものだった。多分よく知られている事件だと思うけれど、南京へ向けて日本軍が進軍する途中で、今でいう毎日新聞がふたりの将校が「百人斬り競争」をしようということになり、その百人の達成時点で勝負が付かず延長戦だという一連の記事にした。戦意高揚であり、暴支膺懲であると。しかし、そのふたりの将校の遺族が名誉を回復したいとして、毎日新聞とこの件を著作で引用した本多勝一を訴えたものである。
 この事件を知ったときに、私は「戦争中のことであり、多分この新聞が伝えたのは「日本は連戦連勝、進軍ラッパ高々と!」という例の大本営発表だろうけれど、事実としてやっていたのかも知れないな」ということだった。というのはやっぱり731部隊とか、南京大虐殺が報じられていたからだろう。この南京事件だって、そんな事実はなかった、あれは中国の捏造だといっている人だっていて、その趣旨の本がいくらも出ている。
 沖縄のガマの中で「子どもを泣かすな!」といって乳飲み子を殺したとか、地元の人たちを「スパイになる恐れがある」といって殺してしまったという話を聴くと、そうした行為に及んだ人たちは確信を持って発言している、様に思える。彼らは自分が助かりたいからこそ沖縄や、南方の委託統治領の先住民を見捨ててきた。自分たちは地元の人間よりも優先されるべき存在だと思ってきたのだ。
 その意識は今でも全然変わっていない。太平洋の各地に暮らす人たち、東南アジアに暮らす人たちに対する意識は今でも、日本人は彼らよりも先進する国家の民なのだという意識がないのかといったら嘘になりそうな気がする。
 それが沖縄の北部訓練地を返還してくれてありがとう!辺野古の海は埋め立てて良いよ、高江の森はぶった切っても良いよと中央政府が米国に媚びる遠因にやっぱりあるといわなくてはならないだろう。
 誰だってもうわかっていて、平然と見ている「日本の文化は凄いな!世界のどこにいっても日本人は凄いな!」というテレビ番組の連発はやっぱり異常だ。他に凄い文化も人も国もいくらでもあるのはとっくにわかりきっているけれど、今この時点に来て、これだけ連発するのが、あの書店の店頭に平積みされている「あの戦争は正しかった」の類いの出版物にまったく重なっている。
 もう、わかっているのに、皆がそういっているからそっちに与するのが楽だということのようだけれど、それは卑劣な捏造行為ではないのか。