ほぼ足りてまだ欲 その先

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 一部で安倍晋三がフィリピンのドゥテルテ大統領に「ミサイル提供」の提案をしたけれど、ドゥテルテ大統領から「いらない」と断られたんだと報じられていますけれど、日本の新聞でこれを報じたのは、わずかに朝日新聞が「ドゥテルテ大統領は「安倍にも言ったんだ、私はミサイルは必要としていないと」と述べたに過ぎず、安倍総理がミサイル提供を提案したというのは「曲解」と報じたとIWJが書いています。(IWJというのは岩上安身が主催している独立ジャーナリズムのことです。全く広告に頼らず、全く政府に忖度しない機関で、会員の会費と寄付だけでやっています。)
 これを報じたのはフィリピン現地の「フィリピン・スター」という日刊紙だそうです。昨日の菅官房長官の記者会見では、ブルームバーグの記者が「本当に安倍総理からそのような発言はあったのか?」と聞いた以外に質問はなく、菅官房長官は「承知しておりません」の一言で終わったんだそうです。菅の口調も声も想像がつきます。承知していないんなら確かめてこい!
 これは重大な問題です。安倍晋三が二回目の首相になるまでこの国は憲法の精神に則って武器輸出三原則を堅持してきました。
 誰が書いたのか知りませんけれど、ウィキペディアにはこう書いてあります。

武器輸出三原則は、共産圏と国際連合決議による武器禁輸措置をとられた国、及び紛争地域への武器輸出を禁止したものであり、他の地域への武器輸出は「慎む」

 それだから、輸出品の中にボールベアリングが入っていたら、輸出許可を取らなくてはならない、船舶は軍艦への改造ができるから輸出許可を取らなくてはならない、共産圏諸国には禁輸、等々、様々な輸出規制がありました。私たちがとてもかたくなに行動を自ら規制をしていたという点で、人道的だったと言ってよいと思います。当事者としては大変に面倒くさかったと云いたいのですが。船の輸出許可はどの港から出すのかと規定されていて、ほかの港から出すことに変更したときに役所への届け出を忘れて、通産省で怒られた記憶があります。
 そんな国が安倍晋三になったらあっという間に、死の武器商人になるどころか、ポケットから取り出すようにして、ミサイルあげようか、と対中包囲網にフィリピンを引きずり込もうとするわけですから、それが賢明な首相だと称えられるような国に落ちぶれたというわけです。