ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

ヴェネツィア

 結局、午前3時頃に寝たようなのに、目が覚めたら午前5時くらいで、朝飯を食べて、結局午前8時頃寝入り、起きたら午前11時半だった。
 昼飯を食べて、さぁ、上野のお山に出かけようと歩き出す。外に出てみたら北風がピューと吹いてきて、こんな時間だというのに、寒いのなんの。行きはコミュニティーバスを乗り換えて、東京都美術館にやってきた。「ティツィアーノヴェネツィア派展」というものをやっています。爺さん婆さんは1,000円では入れます。日本の公的施設はこの種のディスカウントには大変うるさいです。こういうところで映画館のように「夫婦割り」をやったら大変でしょうね。戸籍謄本を持ってこいとか、じゃ、内縁関係は認めないのかとか、大騒ぎになりますね。これじゃ免許証を返納できないなといったら、すぐさまマイナンバーカードがその代わりになりますね、と誘導されちゃいます。
 そういえばかつて豪州の出入国カードには「独身、既婚、内縁」という選択肢がありました。さすがだと驚きました。spouseという言い方も使いますね。夫婦関係かどうかということではなく、いってみればパートナーという意味合いに使います。
 話がどこかに行っちゃいますが、15世紀の絵画にはどうしても興味がわかないのです。なぜかといえばやっぱり「絵」として自然さがまだまだないからなんでしょうねぇ。16世紀後半にならないと自分の好みの絵にはならないんだなぁと再確認にいったようなものでございます。
 そういえば今後の展覧会として、ロッテルダムのボイマンス美術館からお父さん・ブリューゲルの「バベルの塔」がやってきます。あの絵は何枚かありますし、息子が描いたものもありますが、今回、私が密かに大好きなBoschの絵が二つだけ、付き添ってやってきます。この人の絵は何時間でも見ていられるくらい不気味で面白うございますなぁ。
 美術館の中の暗闇の中、見えにくい絵に目をこらしてよく見ようとしておりまするというと、突然目の前に女性が現れましてね、な、なにやつ!っと思ったら、その女性が私に向かって「お客様、ガムをおやめください!」といったんです。「何ですって?」と返すと今度は耳の遠い人にいうように(多分彼女はその意識だったのでしょう)「ガムをおやめください!」と区切りながらいいました。「どうしてですか?」とよどみなく聞き返すと、「その辺に・・・」と床を指さしたのです。私は絵画にいたずらをするやつがいるからチューイングガムは禁止というルールでもあるのかと思ったのです。この美術館では写真禁止、筆記用具禁止、ということは表記があります。そこまで聞いて私は彼女を遮ってこう言いました。「あのねぇ、私はねぇ、医者からガムを噛んで唾液の分泌を促すようにといわれておるのでございますよ」と。一瞬間があって、彼女は「そうですか」といって下がりました。
 多分今頃「今時の爺はあぁ言えばこう言う、こう言えばあぁいうってんで、ほんとに煮ても焼いても食えないわよねぇ〜!」といいながらガード下の「大統領」あたりで絡んでいることでございましょう。
 空はあくまでも青く、澄み切っていて、その青さは葉をすべてきれいさっぱりと落とした広葉樹の枝っぷりを際立たせるためのように見えて参りますが、外は寒うございます。両大師橋をとろとろと下がって参りますと、下から上がってきた自転車に乗った若い女性が、狭い歩道を引き返そうとしています。「どうしたの?」と聞いたら、「この坂きつそうだからやめようと思って」というんですが「このまま上がれたら文京区側に行かれますか?」というから「あぁいかれるよ、坂はきついけれどね」といったらやっぱり戻っていきました。それにしても下まで来てから信号をまた台東区側へ行こうとしていたんだけれど、いったいどこへ行くつもりなんだろうなぁ。
 パン屋によって明日のパンを誂える。おやつにといってモッツァレラチーズドライトマトが入ったパンというのを買ったら、これが、いや、実にうまいのだった。
 本日、7,058歩