いくら世の中、何でも表現の自由、あるいは教育のグローバル化が叫ばれているとはいえ、幼稚園児に「教育勅語」をそらんじさせる学校法人の異様さには、嫌悪感とおぞましさを感じる。戦後70年以上が経って、いくら戦前の昭和10年前後からの10年間の事象なんぞは知るわけがないとはいえ、「日本・天皇・神国」思想がこの列島になにをもたらしたのか、ということを忘却の彼方に追いやって良い、という価値観には連なることができない。
挙げ句に、彼らが開設する小学校に現職の総理大臣夫人が名誉校長として名を連ね、どうやら国有地を、格安の周辺土地価格のおよそ九割引で提供されるという疑惑が報じられている、この異様な光景はどこかで見たような気がする。→こちら。
ドイツではあの戦争を引っ張ったのはナチスであって、私たちではない、といってはいないが、この国ではほとんど、誰が悪いのではない、という風潮が幅をきかせてきている。それはこういう事象ひとつを取り上げてもわかるのに、こういう状況を一生懸命押し上げる三流全国紙まである。
