ほぼ足りてまだ欲 その先

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死刑判決

 あの「筧(かけひ)千佐子(70)」被告の一審判決があって、求刑通り、死刑の判決だった。これまでに4人の男性を青酸化合物で殺したという容疑である。どうやらアルツハイマー系の認知症を患っていると報じられている。135日にわたる裁判員裁判というのはこの制度が始まって以来の最も長い公判だったようだ。金銭がらみの殺人だと云われている。
 問題はこの事件では客観的な物的証拠というものが提示されていないということだ。
 2007年12月に街中で突然倒れ、2009年5月に死亡した末広利明さんは被告に「信じられない額の借金」をしていて、なくなった日が返済日だった。しかし、被告は2008年8月に全額を返済している。
 どうやら被告は、この長期にわたる審理の間、あっさりと犯行を認めたり、そうでなかったりしていて、全く一定しない。
 判決ではいくらアルツハイマーだとはいっても犯行時にはそうではなかったはずで、責任能力は充分あったはずだと認定しているけれど、公判の間の反応が一定しない上に、物的証拠がひとつもないというのは、あまりにもおかしい裁判だ。これで良く審理が維持されているとしていたものだと、甚だ疑問である。カレー殺人の林被告の公判もそうだったけれど、疑わしきものを思いっきり決めつけるのは法治国家ではかなり問題だと思う。