ほぼ足りてまだ欲 その先

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社歌

 日本人は歌が好き、つうか、集まりができるとすぐに歌を作るね。校歌のない学校は多分どこにもないんじゃないだろうかというくらい。偶にはそんなくだらないものは要らないよ、という学校があっても良いと思うんだけれど、どこでもある。しかも、中身を聞いているとなんとかって山があったり、大海原に面していたり、「あぁ!」と感嘆してわが母校を讃えちゃう。甲子園で勝ちチームが意気揚々としてそんなおいしいばかりの歌詞の歌を絶叫しているのを見ると、嘘っぽいなと思ってしまうのは、この私の存在がそもそも嘘っぽいからに相違ない。
 小学校の校歌は最初の学校のしか覚えていないが(三校いったからなぁ)、匂う山桜だ!中学はふたつ行ったけれど、どちらも全く覚えていない。高校は佐藤春夫の作詞だったそうで、良く覚えている。戦前の校歌だから「八紘の潮流れより品川湾に満ち干する」という大時代的なものであった。高校生時代はなぜか明治期の作家のものに興味があって、敢えて旧漢字やら旧仮名遣いやらに興味があったので、それが嬉しかったような気がする。弊衣破帽に憧れた一年生だったのに、二年生になって急速にVAN Jac.に惹かれていってしまった。
 大学に入ったら、神宮に行くようになって、あっという間に校歌やら応援歌を歌えるようになった。もともと歌が好きだったからだろう。
 インターカレッジのサークルに加わったら、そこでも歌ができて、驚いた。
 就職したら、その会社に「社歌」なるものがあってびっくりした。一番から三番まで歌詞の最後に「われらが希望の源ぞ」と書いてあって、がっくり来た。そんな源しか、私の人生の希望はなかったのか。つまらん歌詞だった。