私たちの世代はアメリカでいえばまさに青春時代にベトナム戦争の真っ只中にいた。なんであんな戦争にあそこまでアメリカは首を突っ込むどころか、国の若い力を注ぎ込んだのか。そしてそれはアメリカに限らずに、韓国も、オーストラリアも若者を駆り出すという結果になった。
幸い私たちの国では若者たちがこの戦争に巻き込まれることはなかった。それは当時の若者達の意思表示もさることながら、日本国憲法を大事にしてきた先輩方の力によるところ大であるというべきだろう。アイゼンハワーを先頭にした東西冷戦に危機感を覚える勢力は沖縄を中心にした米軍基地から出撃していった。犠牲となった兵士たちは日本の某所で防腐処置をされて本国に送られるともっぱらの噂だった。
いまでも米国では私たちと同じ世代が当時の傷跡を抱えたまま苦しんでいる姿が、アフガニスタン帰還の若者ヴェテランたちとともに語られている。
日本の私たちと同世代が無事でいられたのもあの憲法9条の故である。
どうして日本を戦争へ駆り立てる政策が支持されるのか、到底理解はできない。
