ほぼ足りてまだ欲 その先

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自立支援施設の火事

 札幌の火事。死亡者11人。ほぼみんな逃げられていない。元はといったら古い旅館だという。良くそういう建物を見つけられたもんだなぁ。あんなにぴったりな建物はない。借り賃が安い、中をわざわざ改築しなくても小分けできている。多分木賃宿だったんじゃないだろうか。半世紀も前にはどこの街へ出張に行っても、あのての建物でやっている木賃宿、商人宿ともいうが、そんな宿舎があった。おおむね朝飯付きだった。泊まっているのは長期出張で工事にきている連中だったり、地方巡りのセールスマンだったり。私は当時日本全国の港へ行くことが多かったから、その手の宿舎には良く泊まった。商人宿だったり、元の赤線だったりして、当時でもう既に十分に古かった。大体あの建物のように次から次に建て増してあったから、結構複雑だった。
 これから先、高齢者がどんどん増える。2025年には団塊の生き残りが全部後期高齢者になるわけだから、独居老人ばかりになるだろう。女性が多いだろうけれど。そんな時女性は、余程いやがられる婆さんは別として、結構みんなと仲良く暮らすだろう。問題は爺さんだ。みんなと仲良く暮らすことなんて、ほとんど期待できない。そうなると独居老人となる。ひとりで暮らせる爺さんは良いけれど、経済的にも成り立たない爺さんは驚くほどの数になるだろう。
 私たちがこの世に生を受けた時に、もう既に「ベビーブーム」といわれ、大人数であるが故に巻き起こる様々な弊害が起きてきた。あれからもう70年も経つのだから、その起こるであろう様々なことは推測ができて当たり前だったはずだ。かつて東京都は東京都老人総合研究所を作った。45年前だ。10数年前にこれを財団法人・東京都高齢者研究・福祉振興財団・東京都老人総合研究所とした。今は「地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター 東京都健康長寿医療センター研究所」といっている。
 こんな大事な機関を石原慎太郎の時だったかに、十把一絡げにしてないがしろにしてきた。あぁいうろくでもない連中が首長になるとロクなことが起きないという典型例のようなものだ。
 老齢年金にしたって、本来は積み立て方式だったものを、今のうちに使っちゃっても必要になるのはずっと先だからといって自民党がブン撒いてしまい、結局無に帰してしまって、今や現役の負担になってしまった。そうしてしまったのは一体誰だったのかといったら、票を集めたかった自民党そのものだ。それに乗ってきてしまったのが自民党へ投票してきた有権者だ。
 政治は本当に長い目で物事を判断できる人間にやって貰わなくては国民が相当痛い目を見ることになってしまうということだ。こんな簡単な教科書を目の前に突きつけられてもなんにも変わろうとしない国民が選択したんだからしょうがないのだろうか。
 戦後すぐに旧日本帝国陸軍の高級軍人が「一体誰に責任があったのか」と詰め寄られて「国民がやめようとは一言も言わなかった」と居直った。多分安倍晋三も、日銀の黒田もあとになったら平気でいうだろう。「国民から支持されていましたからね」って。