わたしはついに今上天皇、および美智子妃を尊敬申し上げるにいたりました。今度の沖縄訪問をつぶさに伝える報道に接するに、お二人が「これが最後の沖縄訪問になります、その節は本当に辛い思いをさせて申し訳ありませんでした」と仰っているようにあのお辞儀から読み取りました。昭和天皇はとうとう軍部に押し切られて戦争のボタンを押し、皇統がこれで守れると思ったんでしょうが、今上天皇はただただ、戦争被害を受けた地域へ足を伸ばして陳謝の旅を続けてきましたよね。靖国に一歩たりとも足を踏み入れぬ天皇にはハッキリとした意思が読み取れます。日本会議の諸兄が全く逆の方向に向かっているのとは甚だ対照的でございます。
しかしながら、これがわたしの天皇制支持につながるのかと云ったら、残念ながらそうではありません。わたしはこれまで政治に利用されてきた天皇制に、それゆえに意味を見いだしません。かの天皇家にとってもこれは大変に不幸なことではないかと思っております。しかし、明治天皇から始まった政治とのタイアップは事ここにいたってその意味を見直す必要が出てきているのではないかと思っております。
