ほぼ足りてまだ欲 その先

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格差

 かつて日本は米国をも凌ごうかという勢いにあった。だから外国の人たちが日本に行って働きたい、といっていた。現実に「どうやったら日本で働くことができるのか」と良く外国人に聞かれたものだ。いや、日本のワーク・パーミットはほとんど降りないから、アンスキルドな労働者は入ってこられないんだよ、と説明していた。
 日本の農村に暮らす、結婚相手がなかなか見つからない男性に、東アジアからのお嫁さんが目立つようになったのは20-30年前のことだっただろうか。地方の自治体にとってはそうしたお嫁さん達のコミュニティーをどうやって支えていくか、というのは大きな課題になっていたりしたものだ。それはテレビでも取り上げられたことが何度もあるけれど、今じゃその辺の問題点をあまり聞くこともなくなってきた。
 外国人の研修・実習生のトラブルは依然として継続していると思っても良いのかも知れないけれど、これだって、早晩担い手が少なくなってくるだろう。そうなると派遣元をもっともっとアフリカ方面に求めるしかなくなってくる可能性が高まってくるだろう。
 それはどういうことかというと、派遣元と日本の経済格差がどんどん縮まってくるということではないか。そうでなくても、日本では安い賃金で自由を奪われた状態で働くことが多く、挙げ句の果てにどんなに馴染んだところで、特別在留許可が出るわけではないのだ。この法的な立ち位置を考えたら、あまりにも人道的でない制度だといわざるを得ないではないか。
 介護の世界にも東南アジアからの人材を導入することが進みつつあるけれど、それだけ日本の介護労働に馴化したとしても、法的にその立場を自由に選択する道が開かれていないのであれば、やっぱりそれは一種の奴隷労働条件としか認識できない。
 日本人社会は他民族と共存するだけの文化的成熟度があまりにも低すぎる。国際的に非常に劣る環境しか構築できない。この先変化するにしても、期待はなかなかできそうにない。それは今の内閣閣僚をひとりひとり見たらよぉ〜くわかる。