ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

JOC

 ブラック・タイディングという会社とJOCがロビー活動とコンサルティングに関する委託契約を結んでいたのは正式な契約だったわけで、その契約書に基づいて180万ユーロ(今日のレートだと2億2460万円)を支払った。ここまでは正式に契約書があった上での支払いで、形式的にはなんの問題もない。この会社が本当に契約書に書かれた活動内容を満たした、ということであれば。

 問題はこの契約書に書かれた活動内容が何と書かれていたか、そしてこの会社と疑惑を持たれているラミン・ディアクIAAF前会長親子との繋がりである。ブラック・タイディングは2004年に既に解散されてしまっていて、シンガポールにはもはや存在しない。

 この会社の選定と、契約について「私は関与していない」とJOCの会長は今日の記者会見でも表明したらしいけれど、これは会長発言としては大間違い。会長にはそれだけの責任がある。だから「会長」なのだ。

 「この会社が誰とどのようにつながっているかについては私は全く関知していない」という発言であれば、それは正当だ。本来、under the tableというものはそういうもので、そのために怪しいか、怪しくないかは別として、この種のagentを噛ませる。

 怖れずに申し上げると、このagentを探してきたのは、あの大手代理店だろう。ひょっとするとその受け皿を作るために設立させた会社だったのかも知れない。それでももう既にこの会社は精算されてないわけだから、単純な手法では追いかけられない。

 実際にブラック・マネーを手にした、あの親子がなんらかの動機を持って自白しない限り、JOCが摘発されるのはなかなか難しい。手がかりはJOCが振り込んだ口座、およびもう既に存在しないagentがあの親子に支払った金の流れがつかめるか、つかめないかだろう。それは相当に難しい。フランスの検察が何か奥の手を持っていれば話は別だけれど、この話はオリンピックが近づくことによって多分うやむやになる。

 しかし、たった8分弱で一方的に記者会見を打ち切ったのは、大失敗で、これでは前にも書いたように「会見」ではない。加計孝太郎の記者会見と瓜二つだ。JOCの広報担当者が、会長退出後矢面に立っていたようだけれど、事前に30分の会見といっていたのにたった8分弱で打ち切ったのはまったくパブリシティーとしては大失点である。この会見は、形式的には政党かも知れないが、現実的には真っ黒星だという印象を強く残した。

 運動系の団体というのはどうしてこんなにやることがヘタックソなんだろう。