ほぼ足りてまだ欲 その先

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某花柳界

 浄瑠璃「箱根霊験躄仇討(はこねれいげんいざりのあだうち)」は今では「箱根霊験誓仇討」と書かれるんだそうで、それは「いざり」という言葉を嫌っている、ということのようだ。
 この芝居の中で有名なセリフッてぇと、初花が勝五郎にいう「ここらあたりは山家(やまが)ゆえ、もみぢのあるのに雪がふる、さぞ寒かったでござんせう」ってやつらしい。
 ところがこれを花柳界ではお座敷遊びのひとつとして、芸者と客のやりとり遊びがあるという。多分昔のことで、あんまり人前で話すような遊びではありますまい。それをここに書くのもどうか、という気がしないでもないけれど、そんなセリフのやりとりをその昔、某花柳界にあげて貰ったときに聞いた記憶があって、それをどこかに書いておかないと、記憶の闇に埋もれていってしまうような気がする。何しろこれから先は一切、そんなことがあるわけがないからだ。

 もし勝つぁん、勝五郎さん。ここらあたりは山家ゆえ、紅葉があるのに雪が降る。さぞ××かったでござんしょう…」「xてぇxてえは山々なれどおめに見らるるこのいざぁりぃ・・・」「そんなら勝つぁん」