ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

 こう見えても、子どもの頃、正確にいうと小学校5-6年だったから、1958年頃、鮎を釣りにいったことが数回ある。当時は今でいう静岡市清水区に住んでいたので、川は興津川だった。今だったら鮎は生きた鮎をおとりに使う友釣りだけれど、子どもにそれは難しい。というか、連れて行ってくれた父親の友人という人は転がしだった。転がしというのは毛針を使って、川上から流れに沿って降ろしていくだけだ。これじゃまるで今でいうフライのようなものだけれど、川の苔を食べる鮎が、なんであんな毛針にかかったのか、良く知らない。
 どうもあれは毛針である必要なんかなくて、転がしているうちに鮎をスレで引っかけていたらしい。随分乱暴な釣りだといっても良いか。

 それでも朝3時頃から車で出かけ、ほとんど人のいない川に立ち入って、仕掛けを繰り出した。太陽が上がりきるとかからなくなってしまうので、河原で昼寝をし、また夕まづめに竿を出した。うちの親父はヘタックソだった。多分親父の田舎には川がない。しかし、海は近かったはずなので、海釣りくらいはしても良かったのだろうけれど、多分彼が子どもの頃には、漁師以外は釣りなんてしなかったのではないだろうか。もともと不器用な人だったから、そのせいだったかも知れない。それでも勉強だけはできたらしい。もう今は残っていないけれど、彼の大学時代のノートはそれはそれは几帳面なものだった。後年の親父からはとても想像がつかない。

 もう何年も鮎を食べていない。