ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

図書館

 随分久しぶりに母校の図書館へいった。とにかく外へ出ないとね、というのも理由のひとつだけれど、近所の区営の図書館には目的の書物がないからだ。しかも、この二冊の本は高い。一冊は3千円台だし、もう一冊に至っては4千円台だ。となると、私が目にすることのできる可能性はこの大学の図書館でしかない。多分広尾の都立図書館に行けばあるだろう。あるいは国会図書館に行けば必ずあるだろう。しかし、交通機関のことを考えると、ハードルの低いのはこっちだ。
 しかし、母校の図書館の印象は非常によろしくない。二度目の在学中の時から、私は不満をたらたら言っていた。だから行かなきゃ良いのに、ふらふらっと思い立った。広くなったのは知っていたがまだそうなってから利用していない。しかも卒業生には貸し出さない。貸し出すのは大学ブランドのクレジットカードの会員になっている人だけだ。そのためにかつてそのクレジットカードを作ったことがあるが、何しろ普通のクレジットカードだから、申請書を出すと審査がある。当然信用を供与するんだから、年収と職業を聞かれる。年金収入しかない爺さんには大分訝しげだったがとにかく出た。しかし利用価値はこれっきりだ。数年前に馬鹿馬鹿しいからやめた。

f:id:nsw2072:20191119004236j:plain:w360:left 入り口で入れて暮れろといってくれ、と書いてあるので、そういうと、女性のレセプショニストが愛想良く「では、この申請書にご記入下さい」という。そうだろう。住所・氏名・卒業年次、学部。
利用カードを作るのであれば、あのカウンターに行ってくれ、というのでそこへいく。利用カードを作りたいと行ったら、また申請書が出てきて、記入。同じく。すると、モニターを見ていた女性がなにやら不審なムード。「なんですか?」とお伺いしたら「前にもカードを作りましたか?と聞く。「はい!」といったら、そのカードはどこにありますか?」と聞くのだよ。「いや、ないね、あったらそれ遣っているから、申し訳ないね」と反応。するとなんということか、「この紛失届を書いて下さい」といってまた紙。そこに同じように氏名・住所・卒年次・学部・生年月日。これで三度目。それでは手数料千円払って下さい、というんですね。
 ここまで書いたら良くわかるんだけれど、図書館側にはなんの落ち度もありませぬ。落ち度があるのはこの私。しかし、この一連の流れ、実に慇懃なのね。国立国会図書館のコピー受付のお姉さんの様。
 くだんの書物を手にして、閲覧の席を探すんだが、みんな中途半端に座っていて、すぐにはない。大テーブルの片隅が開いていたので、ここで拡げる。それぞれの中身がどんなものなのかについては見当がついたが、どちらも私が最初の閲覧者だった。コピーをしたいんだけれど、エネルギーがついていかない。2時間費やした挙げ句、返却して帰ろうと、カウンターに持っていき、「ありがとうございました」と手渡して帰ろうとしたら、女性が「ちょっとお待ち下さい!」と呼び止める。まだなんかあるのかと思ったら、その女性が二冊の書物を表紙、裏表紙、全ての頁をぱらぱらとしてチェックするのだった。なにか悪さしていないだろうな?という検査であった。
 それくらいこの学校の図書館利用者は信用されていないということか。それとも、これはごく普通のルーティーンなんだろうか。久しぶりにやってきて、なんともいえない侘しさを貰った。今更じゃないけれど、なんとも愛着を感じない。前にも増して近代的なビルが建ち、小綺麗なキャンパスになってはいるんだけれど、親しみは全く感じない。これでも校友会報の維持会費を払っているんだから人が良い。

抑留まで: 戦間期の在米日系人

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日系アメリカ移民 二つの帝国のはざまで――忘れられた記憶 1868-1945

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