ほぼ足りてまだ欲 その先

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公私

f:id:nsw2072:20191205005406j:plain:w360:left 安倍昭恵という人は政府が閣議で「私人」だと決定したくらいの公的な存在ではないと云うことになっているんだけれど、それでも公的催し物に自分の知人を百数十人も招いていたんだと暴露されちまって、すっかりおかしくなっている。
 世の中どこへ行っても公私の区別をつけることができないという人は当たり前のようにいるんだけれど、それは本人が意識してやらないと、なぁなぁになってしまうんだということなんだろう。それでなくてもある程度の権力を持った人間はそれを意識してやらないと、廻りのいわゆる「忖度好き」で、それで取り入って自分が将来的に美味しい目を見ようとする「小物」に載せられて、結果的に区別のつけられない人に容易になってしまう。

 例えば、テレビのロケ番組なんかを見ていると、現場で訪ねていった町の人はカメラの前で良いところを見せようと、なにかをくれたりする。「いや、すみませんねぇ、そうですかぁ・・」といって貰っちゃう。これも公私の混同の第一歩だろう。

 新聞記者を数社の人を連れて工場を見て貰うという仕事にいったことがある。当然交通費がかかり、宿泊費がかかり、食費がかかる。ほとんどの社の人はその取材先の企業と揉めるのも嫌だからそのままそのルートに乗る。ところが某社だけはそうであってはいけないという社是があるんだそうで、当日交通費を持ってきた。驚いた。見上げたもんだと思った。ところがその社のいわゆる部長という人は公私の区別のできない人で、日頃からペンの力を勘違いしている行動をとる男で業界では有名だった。

 会社の中でもそんな混同男はいくらもいた。取締役になったその年に、私の長期駐在先に家族連れでやってきた男は、近隣地区になぜかホームステイしている息子を訪ねて遊びに来たといいながら、週末に私の家に突然電話をしてきて「今いるホテルから、どこそこへはどうやっていけば良いのかね?」と聞いてきた。利用するべき公共交通機関と、その利用に際して注意するべきことをその場で答えた。翌週事務所に出ると、所長から、なんで電話が来たら駆けつけてご案内しなかったのかと聞かれた。答は簡単だ、私は休みだったからだ。そんなことは遊びに来るくらいなんだったら、ちゃんと調べてこい。週末になる前になんで相談しなかったんだと思った。週末なのに申し訳ないけれど、2-3時間、手伝ってくれないかとでもいわれていれば、不承不承いっただろう。突然電話してきて、自分の思うようになるべきだという、その思考形態がまず気に入らない。
 翌週事務所にモノを送ってきて、ホームステイしている息子に渡してくれという連絡が来た。なんで自分で直接息子に送らないのか、この男の考えが全く理解できなかった。
 もちろん仕事でお客を連れてやってきた同僚の場合は、日本のお客の扱いをそのまま踏襲して、朝から晩までそのグループにくっついてヨイショした。それで彼の仕事が巧くいったかどうか知らないけれど。

 ことほどさように公私の混同がわからない人間は溢れている。だから昭恵もこれらの行動のなにが間違っているのか、全くわかっていない。夫が主催するパーティーに自分の友人を招くことがどうして追求されなくてはならないのかがわかっていない。だいたい夫が主催しているのではなくて、内閣総理大臣が主催しているということがわからないのだろう。

 勤め人の半分近くを非正規雇用にしてしまっている現状で、もう「社員は家族だ!」なんてかつての出光興産みたいなことをいっている企業はあり得ない。そのはずなのに、意識は切り替わっていないってことだ。