ほぼ足りてまだ欲 その先

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25年前

 あの朝、私は岡山のおふくろの実家にいた。前日が従兄弟の葬式だったからだ。そのまま東京へ帰ろうとしたら、おばさんが、滅多に来ないんだから泊まっていきなさいよといった。あのまんま帰っていたら、あの日も会社へ行っていただろう。しかし、あの地震で岡山に留まることを余儀なくされた。
 宝塚市の社宅にいた昔の同僚は前日風邪で寝込んでいたので、地震の瞬間はもう既に目を覚ましていて、倒れてきたタンスを仰向けに寝たまま受け止め、一命を取り留めたといっていた。彼はそれから何年もしないうちに会社を辞めて福島の郷里に帰っていった。それから音信がない。その後の3.11でどうしていたのかも聞いていない。大きな地震を両方とも経験したことになる。
 あの時はもう二度とこんな大惨事を見ることもないだろうと思っていたのに、3.11であっさりと二度目を見ることになる。25年前は火災の恐怖だったけれど、9年前は津波だった。どっちもなかなか逃げ切れない。人間なんて弱っちい存在でしかない。それだのに、なんでこんなに全能感に満ちあふれて自信満々な愚かしい人間が大手を振って歩き続けているんだろうか。

 NSW州に大雨が降っていて、これでようやくブッシュ・ファイアーが収まるかも知れない。

 話は「あれから25年」のNHKニュースの中で、現場で「Amazing Grace」を唄う声が聞こえてきたんだけれど、あれって、キリスト教の聖歌で、救って下さった神を称えているわけで、あそこで歌う唄としては、たった1%の信徒しかいない日本ではちょっと違和感があったのだけれど、それはたまたまどこかのキリスト教会の集会だったんだろうなぁ、という茶の間の会話。