ほぼ足りてまだ欲 その先

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ひとり

f:id:nsw2072:20200309141349j:plain:w360:left 東京の3月10日の空襲で死んだ人は10万人くらいかといわれている。もちろん詳しいことはわからない。全部の空襲で東京では東京で11万6959人が犠牲になったと集計した人がいる。ではアジア太平洋戦争での日本人の犠牲者はいったいどれほどになるのかというと、1963年の厚生省の発表によると軍、民あわせて合計310万人以上だといわれているけれど、正確なところはもちろんわからない。
 何しろあの戦争で、日本という国は一体全体いくらくらいの金を遣ったのかという総括だってできていない。終わってから75年も経つのに。
 しかし、その310万人と一括りにしてしまうけれど、その中のひとりひとりには、それぞれの家族がいて、それぞれの繋がりがあって、そのひとりひとりが亡くなったひとりに対して思いがあって、それを知ったときに、どんな感情を抱いたのかと想像すると、それはそれは想像を超えた悲しみの大きな塊となる。もう戦争が終わってから75年になるけれど、そのひとりひとりの死は今でも、多くの人たちに悲しみの陰を作っている。残されたものがそれを通り一遍の、作られた美しい言葉で終わらせては、そのひとりひとりに対してあまりにも失礼だ。
 東日本震災による震災関連死を含めた死者の数は消防庁によると2016年3月1日現在で19,418人、警察庁によると行方不明者は2,562人。