ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

自転車

 ふと気がついたら、近所の自転車屋の建物が解体されている。もうそろそろ70歳代も後半に差し掛かるお爺さんがひとりでぼつぼつと営んでいた自転車屋で、とても新しい自転車を買う人がいるとは思えない。空気入れを借りに寄る人がいるとか、たまにパンクを修理して貰いに寄る人がいるくらい。昔は道路事情も悪かったし、早々自転車を買い換える風潮にはなかったから、この種の自転車屋さんは必要だったけれど、今や自転車ですら、使い捨ての時代。閉店は時間の問題だった。あちこちにあった自転車屋はどんどん姿を消している。私の近所にはもうあと一軒、自転車とバイクの店があるだけだ。

 自転車といえば、今の若者にはその日暮らしの自転車操業で暮らしている人たちが増えた。アルバイトだったり、もうほとんどアルバイトといっても良い様な日給週給やら、日給月給やらの形態だ。こんな状況になってあっという間に首が回らなくなる。非正規の雇われとして寮で暮らしていて、雇い止めと同時に寮から出て行け、といわれて路上生活になってしまったという話は枚挙にいとまがない。そういう雇用形態をとっている経営者の問題というよりも、それを是とした制度を作り出した政治の責任であるというべきだ。彼らは儲かるために政治をしているわけで、有り体にいえば、その種の雇用をされている労働者から甘い汁を吸っているのがその政治家たちなわけで、これを自由市場主義とはいわないだろう。
 その象徴的存在は、パソナという人材派遣会社の取締役会長は竹中平蔵である。彼は慶應義塾大の教授時代から小泉純一郎と手を組んで、派遣業法を改悪して、どんどん労働者を非正規の形にし、自ら手を突っ込んで儲けてきた。つまりアカデミズムを武器にした貧乏神の様な者だ。

 外へ出るな、仕事はやめろ、伝染病が蔓延すると宣言して、こうした労働者を見捨てているのは彼らを産み出した政治家だ。彼等への補償すら知らん顔して、いったいこうした連中はなにをするというのか。この上彼等を見捨てるのか。