ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

あ!

 気がついたら今日はうちのおふくろの命日なんだった。私はてっきりこの日が葬儀・告別式の日だと記憶していた。だから、位牌を見て確認した。ということは命日にはなにもしてきていないということだ。機会あるごとに思い出してきたから良いさ。もう今じゃ誰も思い出すことがないだろうけれど、昔は「海彦と山彦」という神話があって、普通に絵本なんかがあったんだけれど、もうそういう話は今では流行らないからか、あまり知られていないんではないかと思う。彼女は縣女子師範に在学中にこの神話をお芝居にしてやったんだと良くいっていた。よっぽど自分としては自慢ができる中身だったのだろう。
 それだのに、彼女は学校の先生を一年かそこらしかやっていない。戦争中だったかに教員が足りなくなって、郷里の実家近くの小学校に奉職したことがあるらしい。それを知ったのは、私のひい婆さん、つまりおふくろの祖母の葬式に岡山へ行ったときのことで、寝台列車で到着した岡山の駅からおふくろの実家へ乗ったタクシーの運転手に行き先を告げると、「あの十字路のどけぇいきんなさるんかのお?」と聞いた。おふくろが実家のことを言うと、その運転手が「それじゃ、先生!」といった。そのわずかばかりの代用教員時代の教え子だったというのである。
 命日に、こんな話を思い出したんだから、あながちないがしろにしているわけではない。