ほぼ足りてまだ欲 その先

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Utah Jazz

 NBAのチーム。Utah州の州都Salt Lake Cityに本拠地を持つ。なんでこんなモルモン教の本拠地にプロのバスケットボールチームがあるのか。名前からわかる通り、このチームは元々はNew Orleansに本拠地を持っていた。1974年に立ち上げられたものの、新参のチームらしく鳴かず飛ばず。1979年からSLCに移った。本拠地のスタジアムはSalt Palaceという。なんともしょっぱい名前だけれど、SLC近辺でもっとも有名なのは、塩湖であるGreat Salt Lake位しかないからしょうがない。あの水深の浅い湖には、塩分の濃いところに暮らす海老の一種がいて、それを目当てに渡り鳥がやってくる。それを狙ってハンティングする連中のために、じっと鳥が来るのを待つ衝立が湖岸のあちこちに立っている。
 SLCに移って最初の年、1979年のシーズンが始まった年の12月に私はSLCに行った。三軒の家をにホームステイしたが、三軒目の若い夫婦の旦那が「バスケを見に行かないか?」と誘ってくれて、ソルト・パレスの一番上に席に彼の友達と三人で出かけたことがある。もう年が明けて1980年になっていたのかも知れない。
 その時の対戦相手がLos Angeles Lakersで、なんといってもその年のLakersにはルーキーで、鳴り物入りNBAにやってきたMagic Johnsonがいた。ポイントゲッターはかのアブドラ・ザ・ジャバーである。最強のチームだった。Utah Jazzが勝てるチームじゃない。最終スコアーが何点だったのか、どっちが勝ったのかは全く覚えていない。唯一覚えているのは、試合後に、なんとマジック・ジョンソンのインタビューがあって、インタビュアーが「Utahに来てプレイする気はありませんか?」と見え見えの質問をしたら、彼は「セブンアップがあんまり好きじゃないのでねぇ」と答えた。
 モルモン教徒はキリスト教新興宗教にもかかわらず珈琲を中心としたカフェインを含むものはおろか、アルコール、コーラーの類いを呑んではならないという戒律を持っている。だから、まともな信者はパーティーでもオレンジジュースとかミルクとかを飲む。じゃ、これなら良いだろうと昆布茶を出したら、sea weedが気持ち悪いのはもちろんだけれど、中身がなにかわからないから呑まないといわれた。近頃アメリカで普通に呼ばれている「Kobucya」はあれは日本で昔はやった紅茶キノコのことで、日本でいう昆布茶とは全く違う。だから、マジック・ジョンソンセブンアップしか呑ませてもらえない環境はイヤだといったのだ。ちなみにマジック・ジョンソンはその後HIV感染者となったけれど、未だに元気でいる。
 このチームの最盛期は、この後、1984年に、のちに八村塁が卒業したゴンザカ大からJohn Stocktonというポイント・ガードを獲得し、翌年にルイジアナ工科大学からKarl Maloneというパワーフォワードをとってやってきた。ふたりとも、Jazz一本槍でなんと19年間もプレイした。だから、未だにUtah Jazzといえば浮かぶのはこの二人のプレイヤーだ。Utah JazzはNBAで優勝経験は一度もないけれど、この二人がいた1997年と1998年に連続してファイナルに進出している。しかし、なにしろ当時はマイケル・ジョーダン擁するシカゴ・ブルズの最盛期で、彼等に敗れている。
 SLCに行くと中心部に、それぞれの名前を冠した通りがある。もちろん私がいった頃にはなかったわけで、2008年6月に行った時にはそれがあった。残念ながらその時の写真は、ストレージした媒体がMOでもう開けることができない。