ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

テレビの散歩

 きのうの「じゅん散歩」が実家すぐ傍の商店街だった。聞いたこともない靴屋が出てきた。若い人たちが新しいお店をどんどん開いてくれると良いのに、こんな例はとても少ない。ほとんどの店がもう戸を立てたままか、住宅になっていたり、アパートになっていたり、小規模な集合住宅になってしまっている。明らかにわかるのは昔からあった新聞屋さんと、良くまぁ今でも持っているなぁと感心する荒物屋さん、お茶屋さん、花屋さん、酒屋さんくらいか。魚屋さんも、肉屋さんも、八百屋さんも、豆腐屋さんもうなくなってしまった。時代だからしょうがない。半世紀前、この商店街は夕方になると、ごった返していた。八百屋の店先では、お兄さんが樽の中に里芋を入れて、これを木を交差させてつくった道具でかき混ぜて、皮をむいていた。魚屋の店先は、お兄さんたちが威勢の良いかけ声で売っているのが、半分怖ろしかった。乾物屋のガラスの平置きケースの中に入っている鶯マメが甘くて旨そうだった。おふくろは良く和菓子の「うさぎや」でどら焼きの皮の素材に求肥を挟んだ「鮎」を買った。求肥はあんまり好きじゃなかった。
 何よりも魅力的だったのは、駄菓子屋だった。いっちゃダメといわれていたので、行きたくても小遣いをもらえなかったから、おふくろの財布から拾円玉をいくつかくすねては行った。ある日、帰り際におふくろに遭遇してばれた。そりゃあんなすぐ下なんだからバッタリ逢うよなぁ。頭良いよなぁ、くすねるあたりが。アハハ!もう時効だ。
 もうあの商店街を歩くこともないだろう。