ほぼ足りてまだ欲 その先

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ペットは家族

 ペットを飼っておられるご家庭はとても多いんだろうと思っております。その証拠にテレビでは猫や犬が登場する番組が目白押しでございます。NHK岩合光昭さんの番組なんぞに至っては世界中へ連れて行ってくれますし、噂に聞く6本指の猫のことまで教えてくれます。もう何年も昔のことになりますが、日本橋の某大手百貨店、ま、有り体に言えば三越で、通りかかりに気がついたら、岩合さんの写真展があったので、首を突っ込んだら、オシャレをしたおば・お婆さんで大変な人混みでした。
 ネット上でも、うちの猫や犬がどんなに可愛いかと目白押しでございますよ。獣医も忙しいのではないでしょうか。自分が飼っていたコーギー犬が夜になっておかしくなったので、近所の獣医の戸を叩いたら、酔っ払った医者が出てきて、大きな大学の獣医を紹介されたけれど、手遅れで死んだという飼い主は「あんな時に酔っ払っていやがって、許さない!」と息巻いていましたが、獣医だって晩酌したいだろうにと逆に気の毒に思ったくらいです。
 それくらい、一度飼ったらもう単なる動物じゃないんですね。既に家族の一員なのですよね。
 大きな学会の総会が自分の学校で開かれることになって、一年前からその手伝いとしてかかわってきていたのに、いざ本番になったら、うちのトラという猫が死んでしまい、悲しみに明け暮れ、近所にあったペット用の焼き場で荼毘に付し、骨壺を抱えて帰ってきて、さすがに学会本番にいけなくて学部の先生方に迷惑をかけたことがありました。長生きをした猫で、私が国を開けていたときも、通いで義母に餌遣りを頼んで、そのまま置いてきたり、帰ってきたら引っ越しがあったりで、随分苦労をかけた猫でした。
 やっとどうにかこころの整理がついて、学校へ出ていくと、おばさん学生にどうして学会当日にいなかったのかと詰問され、その旨説明したときに、このおばさん学生が「たかが猫が死んだくらいで」といったことを私は忘れられないのです。多分、昔働いていた職場だったら、「何をバカなことを云っているんだ」と非難されたのは私だったでしょうねぇ。そういう文化でした。
 しかし、私にとっては家族でしたからねぇ。これからも二匹いる猫が、ひょっとすると私よりも先に寿命が尽きてしまって、そんなときがやってくるのでしょうけれど、堪えられるかどうか自信がありません。