ほぼ足りてまだ欲 その先

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テレビドラマ

f:id:nsw2072:20200615154258j:plain:w360:left 日曜ミステリー『多摩南署たたき上げ刑事・近松丙吉8 最期のメッセージ』の再放送が流れていて、つい見てしまった。主演・伊東四朗。2001年から2016年までテレビ東京BSジャパン共同制作で放送された刑事ドラマシリーズで、これは2008年に放送されたもの。

多摩市内の寺でカリスマパティシエ主婦・工藤多恵子が撲殺体で発見された。衣服が乱れていたことから強姦殺人の見方が強まるが、陵辱の痕跡は認められなかった。さらに、多恵子の下着に「30すぎグレーのふく」と書かれた紙切れが挟まっていた。刑事らは、犯人を示すダイイングメッセージと受け止めて捜査を進めるが…。

 冒頭でかとうかずこが演じる工藤多恵子が撲殺された死体が発見される。夫は石丸謙二郎で11歳の息子と暮らす。多恵子には妹がいて、もうここで私は「あ、犯人は夫で、この妹とできちゃってんだぜ」と断じる。カリスマ・パティシエは派手に売れていて、ドラマの途中で、かつて暮らしていた家から引っ越すという場面で妹に「今度世田谷に引っ越すの」というと、妹は「わぁ、凄いわねぇ、世田谷なんだ!」という。なんで世田谷だというだけで「凄いんだよ!」と鼻白む。世田谷だってピンからキリだっての。この辺で、このシナリオ作家に疑問を持つ。
 旦那は大企業の総務課長だという。奥さんが売れちゃって、やっぱり面白くない。それでカリスマ主婦の妹とできちゃっていたら、昼ドラだなぁと思っていたら、そうじゃない。なんとラブホテルにいっていたのは会社の女子社員とだった。で、そんなに売れていたカリスマ主婦が、ネットカフェに良く行っていて、そこで知り合った20代のサラリーマンと、アバンチュールとなるも、きびすを返して帰ったという。そんな売れていたのに、夫が入ったラブホテルの外で見張りをしていて良く誰にも気がつかれなかったよねぇ。足繁く行っていたネット・カフェでも他の人に気づかれなかったなぁ。
 で、結局犯人は、シングル・マザーで老人ホームに入っている母親と、小学生の息子を抱えて成績の上がらない生命保険会社のフィナンシャルプランナーで、実は偶然居眠り運転で、カリスマ主婦を跳ね、その身体をヨイショと持ち上げて車の後ろに乗せ、発見場所の神社の片隅に放り出して、傍にあった杭で頭を殴ったという顛末。そんなか細い女性が、たっぷり、なかとうかずこをヨイショと持ち上げられるわけがない。
 あれま!まったく推定が外れたけれど、なんともはやな幕切れ。
 一人でこつこつと現場をはって歩いて事故現場で落ちていた片方のイヤリングを発見したり、どうも腑に落ちないと、捜査本部の流れに抗して疑問を提示する近松を管理官は「また可能性かよ!」といって罵倒する。とってつけたようなこの管理官の役柄は設定上、巧くできていない。どっかで見たような役者なんだけれど、誰なんだろうと思ったら、昨年癌で亡くなった元東京キッドブラザース純アリスの旦那だった三浦浩一
 はっきりいって2時間を無駄にしてしまった感じ。それにしてもこういうドラマは、犯人がわからないまま見るのを止めたら釈然としなくて気持ち悪い。そういうわけでこういうドラマばっかりになるんだろうなぁ。警察もののテレビドラマの、まぁ多いこと。
 ほとんどドラマを見ないわけが此処にある。
 だから文句があるんだったら、そんなもん、見るなっての!
 原作は夏樹静子「ダイイング・メッセージ」なんだって。脚本:西村タカシ