ほぼ足りてまだ欲 その先

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映画「東京裁判」

 朝気がついて、テレビをつけた。BS NHK-1でヤンキースの野球をやっていた。田中が投げるんじゃないかと思ったんだけれど、それはどうやら明日だという。つれあいが見るものがないといって、よりによって読売テレビの辛坊の番組を見ていたので、「こんなものを見たら眼が潰れるぞ」という。なにしろ橋本五郎だけじゃなくて、菅義偉まで出てきている。
 つれあいが不忍池の蓮を見に行くんだというので、テレビチャンネルを動かすと、なんとWOWOWシネマ小林正樹監督が作った「東京裁判」をやっていた。1983年制作、277分に及ぶ長編ドキュメンタリー映画である。音楽は武満徹、ナレーターは佐藤慶。淡々と語られるナレーションが効果を上げている。
 最後の判決で裁判長のウェッブが呼吸器系疾患でも患っているかの如き語りで読み上げる「death by hunging」は最初にこれを見た時から耳の底にこびりついている。
 今回の視聴で思い出したのは、東郷茂徳の証言と、GHQの意向である裕仁には触らないという方針に基づいて主任検事のキーナンが,東條英機の弁護人を通して打ち合わせていたのにもかかわらず、東條英機が証言してしまった「天皇の命令を全てのものとして受け取らない軍人はいない」という言葉に、天皇訴追派だった裁判長のウェッブが勢いづき、キーナンが慌て、次の公判日、1月2日までの間、つまり休廷だった元旦に、再度東條にリマインドさせ、無事に2日の証言で撤回させたことだ。
 「東京裁判」についてはかなり突っ込んで資料を読みあさったこともあったけれど、もうずいぶん忘れてきていることが散見された。あちこちの書棚に散らばっている資料を一度全部そろえてみよう。


東京裁判 - 映画4Kデジタルリマスター版予告編