ほぼ足りてまだ欲 その先

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一流の人

”「育ちがいい人」だけが知っていること” なんていう本を出す人がいることにまず驚きましてございますよ。そして、これを買う人がいるのかと思うと、なんだかゾクゾクしますよね。で、ここから引用したという記事をたまたま見ましてございます。
それが「一流の人が「蕎麦を食べるとき決してしない」こと」っていうんですよ。

ひと口目はお蕎麦自体の香りを愉しむためつゆは付けず、その後も1/3程度までつけていただく、ひと口分が多すぎるのは野暮……など、お蕎麦好きの流儀やルールは常に話題に事欠きませんね。最低限守っていただきたいのは、ざる蕎麦などの盛られたものは頂からお箸を斜めに入れること。こうすることで、山が崩れにくく程よい分量のお蕎麦が取れます。

そして、取ったお蕎麦は途中で噛み切らずひと口でいただく

 良くこんなことを仰る方が普段にいたりしますね。こんなバカ本を読んだのかも知れません。蕎麦、あ、ここでいっている蕎麦は温かいおつゆに入っているものではなくて、冷たくきりりとした、ざるの上に拡げてある蕎麦です。こうした蕎麦を供するお店は蕎麦の香りを楽しむのはもちろんですが、そのためには蕎麦の畑を厳選し、それをゆっくりと熱を持たせないように挽き、その日の天候状態に合わせて捏ね、切った傍から大きな釜でたっぷりの茹で湯がき、すぐさまきりりと引き締まった冷たい水でしめて供されたものでなくては成りませぬ。一体、そんな蕎麦はいくら出したら食べられるというのかね。そんな滅多に食べられないような蕎麦ならまだしも、ちょっとお腹の足しに、その辺で一丁やっつける蕎麦を食べるのはもう既にそこで「一流の人」ではない、ということなんざしょうか。
 江戸前のつけ汁は辛くってしょうがねぇからたっぷりつけたらもうしょっぱくって食えねぇ!というんで先っぽだけつけるんだという話が普通に出回っていますが、そんな蕎麦屋、お目にかかったこと、ありません。それがお前が「一流」じゃねぇってことだよ、というわけでしょうが、つけ汁の出しの旨さがわからねぇようじゃ、あぁた、蕎麦ッ食いじゃねぇな?そば湯で延ばしてみろよ、旨いぞぉ〜!それから、ズズッと啜って一気に喉で味わえ、っていうけどな、つなぎの少ない蕎麦をそのままたぐり込んでみろ、モックモクになっちまって誤嚥を起こして死ぬぞ!これを噛みしめると、蕎麦の香りが実に良くわかるってのを知らねぇな。
 なんだ、その最低限守れってのは!「盛られたものは頂からお箸を斜めに」だってさ。こりゃ小笠原流かなんかですか?蕎麦を食う時は箸を立てて、最後まで綺麗さっぱり喰うってだけじゃないかな。チュウルチュルたぐり込むのはやめてね。気持ち悪いから。
 というわけで、またまた居直ってしまいます。「一流じゃなくて、悪かったな!」