ほぼ足りてまだ欲 その先

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追悼文

 ご案内のように、9月1日の関東大震災記念日は、防災の日と云うことになっていて、墨田区横網町の横網町公園の中にある東京都慰霊堂で慰霊祭が行われる。あの時、朝鮮人が井戸に毒を入れているというデマが横浜からどんどん拡がってあちこちで通りかかる朝鮮人を呼び止めては、民間人が彼等を虐殺したという事件が頻発した。同じ横網町公園にはそうした朝鮮人犠牲者の追悼碑があって、そこでは同じに日に追悼集会が行われる。ところがそこへは信じられないことに差別主義的右翼集団がやってきては、驚くほどの音量で差別的な汚い言葉を投げつけた。
 歴代の東京都知事はこちらの追悼式にも「追悼文」を寄せてくることが慣例となっていた。小池百合子も2016年にはこの追悼文を送ったが、翌年からこれを送らなくなった。
 今年の追悼集会は当初公園使用許可申請の際に、管理に支障となる行為をしないなどの条件が守れない場合は「管理者が集会の中止を指示したら従います」とする誓約書の提出を主催者に要求した。しかし、都は7月末に方針を転換。「注意事項を守り、行事を平穏に行う意思が口頭で確認できた」として、誓約書なしで実行委の申請を受理した。
 それでも小池百合子は追悼文を送るつもりはないと先日会見で言明した。というよりも冷たく「ない」とだけいった。つまり、彼女はあの虐殺事件を認める気もないし、だから追悼する気もないし、今度このような事態があってはならないと表明する気もないということだ。
「全ての犠牲者に対して追悼する」ことで事足りているという主張のようだ。

 内閣総理大臣臨時代理国務大臣麻生太郎初鹿明博の平成29年11月の関東大震災における朝鮮人虐殺に関する質問に対して

調査した限りでは、政府内にそれらの事実関係を把握することのできる記録が見当たらない

 という答弁を返した。朝鮮人虐殺事件に関しては溢れるほどの文献が溢れているのにもかかわらず、である。
 どうやら、歴史修正主義者といわれる差別主義者の諸君はこの国がしでかした失敗はことごとく隠しおおせることができると思っていて、あからさまな言動を繰り返してきているところを見ると、その頭目たる内閣総理大臣がこれだけ嘘を言っても、隠しても、改竄しても心ひとつ傷まないということだろう。どこも美しくない。