ほぼ足りてまだ欲 その先

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抑留中の財産

 Zoomでは駒澤大の白水鷹彦先生の社会人ゼミがあった。横浜英和の先生だった小宮まゆみ先生の戦時下での外国人抑留についての研究報告は非常に中身が濃いものだった。ここまで調査するのには大層な手間がかかったはずで、アウトプットして下さる情報はもっともっとあるんだろうと思う。
 なによりも驚いたのは、1951年に法律第二百六十四号「連合国財産補償法」という法律が制定されていて、「連合国又は連合国人が本邦内に有していた財産について戦争の結果生じた損害に対し、補償を行う」というもの。ただし、戦前の評価額で評価されても戦後のハイパーインフレでロクなことにならなかったのではないかという想像はできそうだ。

 それにしても、どこの抑留所でもそうだったようだけれど、敵国兵の捕虜、つまり戦時捕虜(Prisnor of the War)ではなくて、敵国の民間人にもかかわらず、かれらは抑留所では相当に厳しく制限された生活を強いられ、尚且つ、非常に乱暴に管理されたことが様々な記録から見えてくる。福島のノートルダム修道院の抑留所ではなんと173項目にも至る禁止項目が設定され、それに違反すると殴る行為が横行した様子がわかる。しかも、彼等には全く言葉が通じない。一応それでも、たまさか英語に接したことがある人を探してきて通訳として遣ったようだけれど、それとて、満足なものではなかったことは充分容易に想像することができる。

 その点、神奈川や兵庫の抑留所に収容されていた人たちは、それまで日本国内に暮らしてきた人たちが多く、その点だけでも、まだ、救われただろう。

 二週間後には東京家政大・篠田左多江先生による「Fred Toyosaburo Korematsu(日本名:是松 豊三郎)」についてのレクチャーがある。