ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

工場写真

 もう何年も前からだが、本屋の写真集売り場に行くと、工場の夜景写真集なんてのがある。綺麗だ、といって船で海から見るというツアーすらあった。特に石油のリファイナリーは圧力容器があっちこっちに立っていて、その複雑な形状にキャットウォークがついていて、そこにランプが付設されているから、知らない人から見ると、綺麗に見えるらしい。その昔、首都高の横羽線を行ったり来たりする機会が結構あった頃、新子安のあたりで日石なんかのリファイナリーの横をかすめると、あぁ、横浜に入ったなと思ったものだ。
 ひと頃通った工場へは辺鄙な電車で通ったが、帰りが遅くなると、無人のプラットフォームにはぽつんと灯りがついていて、終電に乗って家路につく連中がやってくる。そんな時に、電車の窓から見える工場の灯りは、ことさら寂しく思えたものだ。そんな生活を送ったものから見ると、余計なことをしてくれるな、綺麗だなんていってくれるな、という気がする。ちょっと擦るだけで、そんな言い方をしてくれるなと思う。トホホなんである。