浅香光代先生、死す。92歳。「先生」なんて思ったこともない。なぜなら私は弟子じゃないから。
浅香光代といえば、幼心に覚えているのは、女剣劇。しかし、それでも、大江美智子の方がなんぼか格好良かった。浅香光代は、どっちかといえば、三の線。何かといえば、番場の忠太郎。
彼女は、浅草の観音裏に住んでいた。今はバス停が「裏浅草」なんていっている界隈。つい先だって閉店統合してしまったみずほ銀行千束支店の裏。旦那はかつてはテレビに出ていた世志凡太。ペットは猿で、この猿にリースをつけて散歩していたことはこの界隈に知らない人はいない。しかし、数年前ぐらいから、歩くのもままならなくなっていたらしくて、どこかからタクシーで帰ってきて、家の前で降りるのも大儀そうだった。もう彼女のダメ声も聞こえない。
そんな時にふと思い立ってYouTubeで小松政夫を探したら、あるは、あるは！今アップしたのか、どうか知らないけれど、いくつも小松政夫絡みが出てくる。中でも、運転手を3年ちょっと務めた植木等の話がとても心に刺さる。小松政夫が言うには植木等には本当にお世話になったそうだし、彼の話を聞いていると植木等は本当に誠実な人だったことがわかる。植木等の快気祝いゴルフ大会の帰りの車寄せで、運転手の小松政夫をわざわざ満座の有名人の人たちに「こいつはそのうち大物になります、可愛がって下さい」と紹介したなんて、ビックリだよ。
